2006年末以来、日本テレビ系で15年間放送されてきた大みそか恒例の番組「絶対に笑ってはいけない」の休止発表に波紋が広がっている。
「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の年越し企画として知られる同番組。ダウンタウン、ココリコ、月亭方正が各所に張り巡らされた「笑いのトラップ」に挑み、我慢できずに笑ってしまうと、罰として「ケツバット」や「タイキック」を受けるという人気バラエティだ。
NHK「紅白歌合戦」の裏番組として、民放トップの視聴率を獲得していた「笑ってはいけない」。日テレでは今年の大みそかは、新たな特番「絶対笑って年越したい!笑う大晦日(仮)」の生放送を予定しているという。
今回の発表により、休止の理由を巡る憶測が飛び交っている。
「ネット上ではBPO(放送倫理・番組向上機構)の動向と結びつける見方が大半ですね」と語るのは、あるお笑い関係者。8月24日にBPOが発表した「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」の審議入り。真っ先に槍玉に挙げられると見られていたのが同番組だったのだが、同関係者は「BPOとは無関係だと思いますよ」と指摘するのだ。続けてもらおう。
「例年、番組の企画会議がスタートするのが6月頃。BPOの発表よりも遥かに前なんです。さすがにBPOの指摘を受けて、というのは時期的にありえません」
BPO説を否定する同関係者は「やはりあの“事件”が決定打となったのでは」と語る。その事件とは─。
「昨年発生したアンジャッシュ・渡部建に関する『出演情報漏洩事件』です。女性スキャンダルで謹慎を強いられていた渡部が『笑ってはいけない』でのテレビ復帰が計画されていたものの、事前に出演情報が漏れてしまいお蔵入りになりました」
さらなるトラブルも。
「今年3月には渡部出演パートの台本までが漏洩。こうして現場での信頼関係を重んじる松本人志が『番組休止』を決意したとみるのが妥当でしょう」(前出・お笑い関係者)
いずれにしても、ファンにとっては寂しい限りだ。
(川瀬大輔)