フジテレビの凋落が何かと話題にのぼる中、一つの象徴とされているのが古舘伊知郎の冠番組「フルタチさん」(日曜19時~)だ。
同番組は16年3月に「報道ステーション」(テレビ朝日)を降板して以降、古舘にとっては初のレギュラー番組。局としてもかなり力を入れていたが、初回視聴率は8.2%と低迷。その後もまったく上向いていないのが実情だ。そんな「フルタチさん」失敗の原因は古舘本人にあると番組関係者が打ち明ける。
「企画にはすべて古舘さんの意向が反映されており、いくらスタッフがアイデアを出しても古舘さんが納得しない限り採用されない。そのため企画会議は『何をやったら面白いか?』ではなく『この企画を古舘が気に入るか?』という観点で進めらている。これでは視聴率がとれないのも無理ないだろう」
このように完全なワンマン体制のもとで制作されている「フルタチさん」。それでも古舘自身が“時の人”であれば番組も面白くなりそうだが、もはや古舘が“過去の人”になっていると、前出の番組関係者は指摘する。
「古舘さんが数多くの人気バラエティ番組に出演していたのは『報道ステーション』が始まる前の話。そこから13年ほどを経て、バラエティ番組のありかた自体が大きく変わっている。ところが古舘さんはその変化を理解しておらずまるで浦島太郎の状態。これでは視聴者に受けないのも当然だろう」
視聴率がとれなければ、自然と打ち切りの方向へと進むはず。古舘本人が“時代に乗れていない自分”を認識しない限り、このままでは本当に過去の人になってしまいかねないようだ。
(浦山信一)