毎週続いていたGI戦も今週は小休止。代わってアルゼンチン共和国杯と、みやこSが東西のメインとして行われる。
東京のAR共和国杯は、春の目黒記念と同じ距離(芝2500メートル)でのハンデ戦。どんな傾向があるのか、まずは過去のデータを見てみよう。
02年に馬単が導入されてからこれまでの19年間、その馬単での万馬券は5回(馬連では2回)。ハンデ戦にしては穏やかな決着が続いているように思えるが、そうでもない。
この間、1番人気馬は4勝(2着4回)、2番人気馬は6勝(2着3回)で、1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみ。上位人気馬同士で決まることは少なく、中穴傾向の重賞。やはり難解なハンデ戦と言っていいだろう。
では、人気薄の軽ハンデ馬がちょくちょく連に絡むのかといえば、そうでもない。過去19年間で52キロ以下の馬はわずか1頭で、50キロ馬の2着のみ。よく連対しているのは55キロ~58キロの馬で、中でも56キロ組が最も多く8勝2着5回だ。あと実績ある重い斤量を背負った馬の頑張りも目立っており、57.5キロ馬が3勝2着2回、58キロ馬も1勝2着2回。58.5キロ馬も1頭だが2着していることも付記しておこう。
いずれにしても混戦模様なのは確かで、穴党として狙ってみたいのは、レクセランスである。
前走のケフェウスSは6着。その際に背負ったハンデが54キロだったことを思うと、実績も加味して、今回も恐らく同じ54キロと判断できる。であるなら、好勝負必至とみていいのではないか。
しかも前走は5カ月ぶりの実戦。それでいて道悪の中、最速の上がり脚で勝ち馬にコンマ4秒差まで迫っている。休み明けを使われての変わり身を大いに期待していいはずだ。
この中間の稽古内容はガ然素軽くなっており、1週前の追い切りも文句なしだった。
「使われたことでずいぶんとよくなっている。以前と比べて体質的にしっかりしてきたのもプラスだ」
こう厩舎スタッフが口をそろえ、状態のよさを強調するほど。ならば今後の活躍も見込んでよく、チャンス十分とみたいのだ。
新馬戦を勝ったあと、特別─オープン特別とデビューから3連勝した馬。クラシックでも大いに注目されたが、結果は皐月賞11着、ダービー15着。その後の成績もイマイチで期待を裏切り続けていたが、成長を促すことを目的に放牧休養させたのが奏功したようだ。前走でみせた走りは、その証しと言っていい。
一族にカスバブリス(カドラン賞=芝4000メートルで競う仏国の名物長距離GI)ほか、活躍馬が多くいる血筋。良馬場条件に大きく狙ってみたい。
逆転候補とみたいのは、マイネルウィルトスだ。
前走、強敵相手の札幌記念では、勝ったソダシにコンマ4秒差の4着。その後はここ一本に備え、抜かりなく調整されており、仕上がり状態のよさが目立っている。こちらはファイトガリバー(桜花賞)に繋がる血統馬で、道悪も上手だ。
阪神で行われるみやこSは、サンライズソアの勝機とみた。
前走の太秦Sは4カ月半ぶりの実戦。やや重め残りの状態だったが、逃げ粘ってあわやの3着だった。休み明けを使われたことで、この中間はいたって順調。1週前の追い切りも軽快でリズミカルだった。であればやれていい。
1800メートルは〈1 0 3 2〉と得意の距離で、相性のいい阪神が舞台。走れる条件がそろっている。