今週は中京で行われるチャンピオンズCがメイン。
今回で22回目と歴史は浅く、07年までは東京競馬場でジャパンカップダートの名で施行され、その後、右回りの阪神に移り、14年から再び左回りの中京に移設され、今日に至っている。国際レースとして「格」を重んじるGIではあるが、今年も外国馬の参戦はない。
ただし、11月6日に行われたBCディスタフでマルシュロレーヌが金星を挙げたのを見るまでもなく、日本のダート界の「質」は年々向上しており、層は厚い。
なので近年は、毎年のように激しくもおもしろい競馬が展開されるようになった。今年もフルゲート(16頭)必至で、顔ぶれはなかなかだ。
地方競馬から参戦となるカジノフォンテンを含め、GI勝ち馬が9頭。他の登録馬も個性豊かな面々で、どう転ぶか予想しづらく、目が離せそうにない。
まずは過去の傾向を振り返ってみよう。馬単が導入された02年以降の19年間、その馬単での万馬券は6回(馬連で3回)。この間、1番人気馬は6勝(2着6回)、2番人気馬はわずか2勝(2着0回)で、1、2番人気馬によるワンツー決着は1回のみ。そう大きく荒れることは少ないものの、それでも順当に収まりづらく、簡単でないことがわかる。
しかも、芝のGIとやや趣が異なるのは、ダートの場合は年長馬が頑張っていること。年齢的には5歳馬の活躍が目立ち、9勝2着7回は、他の年代の追随を許さない。これに続くのが6歳馬の4勝2着7回だ。
なぜか4歳馬はイマイチで、3勝2着3回は意外と言うしかないのだが、3歳馬は5勝2着2回と健闘している。斤量が軽いこともあるが、出走頭数が少ないことを思えば、3歳勢は要注意と言っていいだろう。
もろもろ吟味したうえで穴党として期待を寄せたいのは、スワーヴアラミスだ。前走のGIIIみやこSは7着と期待を裏切る結果だったが、下見所(パドック)で、やや落ち着きを欠いていたことを思うと、体調に少し問題があったのではないか。
それに、スタートがスムーズに切れず、いつもより後方から行くハメに。これも少なからず影響があったとみたい。
しかし、この中間は立ち直って雰囲気がいい。馬体はふっくらとして、張りも十分。中間の稽古内容も軽快で、状態はグンと良化しているように見える。であれば、強敵相手でも巻き返しがあっていい。
母系は北米の一流血脈で、中京との相性もいい。好位で立ち回ってのしぶとさと勝負強さが持ち味で、良馬場ならチャンスは十分とみた。
逆転候補として挙げたいのは人気の一角、テーオーケインズだ。
前走のJBCクラシックは4カ月ぶりの実戦。こちらも久々のためか、イレ込んでおり、出遅れ。スムーズな競馬ができず1番人気を裏切ったが、やむをえない結果だった。それでも4着と頑張ったあたりは力があればこそだ。
休み明けを使われたことで一変。この中間は落ち着き払って好状態。1週前の追い切りもよかった。
母系は欧州の一流血脈で、レディパステル(オークス)など一族には活躍馬がズラリといる。今年の帝王賞を制しているように実績は十分で、中京も〈1 0 1 0〉と得意にしている。好勝負必至だろう。
カフェファラオも争覇圏内だ。フェブラリーSを制したあと、成績はイマイチだが、今回4カ月半ぶりの実戦も、早くからここを目標に調整され、乗り込み量は豊富。「力を出せる仕上がり」と陣営は口をそろえており、軽視は禁物だ。