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中年シングルマザーの再就職が軒並み難しいです。特に40歳を超えると正社員への道は険しく、私のように小学校低学年の子供を抱えていると、不安が募るばかり。そもそも一部の業界以外は、女性のセカンドキャリアとしての就労促進意欲があまりありません。
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この50代の女性相談者は、次のように訴えます。
「国が推奨するキャリアアップの職業訓練制度を利用しようとしましたが、低学年の子供はまだひとりで家に置いておけません。なので、毎日学校へ通って夜に帰るのは物理的に厳しいです。とはいえ、毎日通わなければ給付金は出ない。もっと利用しやすい環境での訓練や各種就労条件を増やすべきだと思います」
僕も5歳の子供がおりますし、友人にも働いているシングル子持ち女性が多いのでこの問題、よく理解できます。確かに職探しをするにも子供を預ける場所がないと‥‥ですよね。
例えば保育園の待機児童を対象にした「ベビーシッター利用支援事業」という補助制度があります。これは1時間150円でベビーシッターを利用できるというもの。お住まいの自治体でも行っている可能性がありますので、問い合わせてみて下さい。相談すると、他にも有志で子供を見てくれる団体を紹介してくれますから。もちろんシングルファーザーも利用可能です。
では相談者のような、小学生低学年の子供はどうするのか。それこそ手がかからないのだから、1時間100円でベビーシッター支援してよ、と。女性活躍担当相の野田聖子さんに、本気でこの問題を改善してもらうしかないでしょう。
さて、国が推奨する職業訓練制度について説明しておくと、「教育訓練給付制度」があります。厚労省のウェブサイトによると〈働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるもの〉とあり、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講して終了した人には、参加費用の20~70%を支援してくれるそうです。自分が持つスキル、やりたいことのために、まずはこの制度を利用できるかどうか。希望スクールやキーワードから検索できるので、厚労省の「教育訓練給付制度」ページを参照するといいでしょう。ただ、ハローワークでの受付、あるいは雇用保険の加入が条件となっている講座もあるので、その場合は非正規雇用で職探しをしている人には利用できないところが難点です。
とにもかくにも相談、「マザーズハローワーク」に相談してみるのも手です。こちらは厚生労働省管轄のママ向けハローワークなのですが、各都道府県に設置されており、子連れでも大丈夫。就労支援はもちろんのこと、パソコン講習や応募書類セミナーなど、就職に有利になるようなセミナーにも参加できます。
とはいえ、国が支援してくれる制度には限界がありますので、もっとあらゆる職業の選択ができないと結局、ひとり親は途方に暮れてしまいます。
こうやって改めて羅列してみると、まだまだ国の支援は小さく、改善の余地が大きいことが分かります。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。