テリー 最近は「水曜日のダウンタウン」を見たお客さんで、浅草の東洋館が連日大盛況なんでしょう。
おぼん 今まで10年近くケンカしてました、仲直りしました。その姿を皆さん見に来てくれてますね。
こぼん 若い子らが年寄りをからかって遊んでるだけですよ。
テリー そうなの?
こぼん というふうに僕は認識してますけどね。
テリー 漫才の最初に「仲直りした」って言うの?
おぼん 言いますよ。「どうも、おかげさんで仲直りしました」って2人で肩組むんですよ。ワーッと盛り上がります、お客さんが。
テリー いいですね。
おぼん 「2人が仲直りした姿を見たら元気もらいました」とか「疎遠になってた家族と復縁しました」っていう声も、ずいぶんいただいたり。
テリー じゃあ、万々歳だ。事務所も大喜びでしょう。
おぼん もうね、態度が全然違います(笑)。すごい立ててくれるんですよね。今までは「もうこれ以上やっても、おぼん・こぼんは儲からんな。もっと若手に力入れようか」って雰囲気だったのに、ちょっとブレイクしたら、もう。
テリー 「先生お願いします!」と。
おぼん いやいや、そこまで露骨じゃありませんけど。態度とかね。電話でわかりますもん。ものすごい親切やなって(笑)。
テリー でもさ、俺も2人と同年代だからわかるけど、ケンカするのって疲れるじゃない。だから、元気だなと思ってたんだよね。
おぼん 元気は元気ですけどね。
テリー 俺、あんまり詳しく事情を知らないんだけど、仲悪いって、どのぐらい悪かったの?
こぼん だから口きかないですよ、この10年近くは。
テリー ネタ合わせはどうするの?テレビなのか劇場なのか、場所によってどのネタをやるかも決めなきゃいけないじゃない。
おぼん だから、それもしてなかったんですよ。ネタ合わせも何もしないで、ポッと出てって。
テリー そうなんだ。それでやれちゃうのが、さすがベテランだけど。
おぼん 何年もやってるネタですからね。しんどいですけどね。
こぼん テレビの時は時間の確認はしますよ。6分とか尺が決まってるから。おさまらないと困るから念押しみたいなものですけど。
テリー 劇場は?
おぼん 劇場はもう好き放題。僕らはわりとトリじゃないですか。だから、だいたい15分なんですけど、トリの場合は30分やったり、好き放題やってます。
こぼん 僕らのあとが青空球児・好児だと、やっぱり15分でちゃんとおさめなきゃいけないけど。
テリー 漫才中は目も合わせないの?
おぼん そうですね。和解したあとに初めてこの人を見ながら、「いやいや」ってできるようになりましたけど、ここ7、8年はいっさい東洋館でこの人の目を見て漫才したことない。横も向いてないです。だから(お互いが右斜め前、左斜め前を向いて、客との関係が)三角形です。
こぼん そういう形は多いですけどね。僕らだけじゃなくて。
テリー ねぇ。昔の漫才師は仲が悪いのが普通というか。そのほうがおもしろかったりね。
おぼん でも大阪の漫才って、やっぱり(こぼんの顔を覗き込んで)「君ね」っていう。
こぼん けっこう古い型の漫才はそうだけど、よく見ると、みんなそうでもないです。まぁ、ある一瞬はもちろん向くでしょうけど、それ以外はそんなに向いてないと思うけどね。