スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「玉野記念」

タテ脚鋭い岩津裕介が本命・平原康多に迫る

 際どい勝利でも、選手には会心のレースがある。

「玉野記念」(2月28日【金】~3月3日【月】)に出走予定のS級S班は、昨年の覇者である村上義弘金子貴志、長塚智広、平原康多を加えた4人。S1からのチャレンジャーは、村上義の前に2連覇を飾った地元の岩津裕介を筆頭に、好調な選手がそろう。思わぬ波乱が生まれてもおかしくないシリーズになりそうだ。

 岩津が確かな手応えをつかんで、地元記念に臨む。正月開催のFI京王閣【2】【3】●【5】(●は決勝レースの着順)では「いい1着がなかなか取れなくて‥‥」と首を振っていたが、続く大宮記念で【3】【1】【4】【1】。決勝戦には乗れなかったものの、2日目優秀戦は平原(2着)を抑えて快勝し、前走の高松全日本選抜では最終日1着だった。ゴール前のコース取りは一級品。納得できる勝利の感覚を取り戻した岩津が地元ファンの期待を一身に集めることになる。

 村上義は近況の精彩のなさが気になる。他を圧倒するオーラが伝わってこなくなったからか、番手のレースでは競り込まれるシーンも。ただ、全日本選抜を弟の博幸が勝ったのは発奮材料になったはず。自力を出せれば簡単には崩れない。

 さて、並びと展開。地元地区は、阿竹智史─岩津─三宅伸で瀬戸内ライン。近畿の村上義─南修二、吉田敏洋─金子の愛知両者、九州の菅原晃─合志正臣までが西日本の有力どころだ。東日本は平原─長塚─宗景祐樹の関東トリオと、山崎芳仁─佐藤慎太郎の福島コンビが圏内。他では小川勇介根田空史の進出もある。

 地元勢を連れて阿竹が先行し、4番手は平原の指定席。平原が仕掛ける前に、村上義、金子が動くことになりそうだ。

 本命は平原。全日本選抜は落車の不運に見舞われたが、調子落ちはなく、総合力で抜けている。対抗はホームバンクの岩津。タテ脚の鋭さで平原に迫る。3番手評価の金子は、早めにまくりを打てば好勝負に持ち込める。

 伏兵は黒田淳(岡山・97期)、古性優作(大阪・100期)、巴直也(神奈川・101期)の3選手。地元の黒田は、まくり1着から流したい。1月和歌山記念、2月奈良記念でセミファイナル進出と活躍した古性は、まだまだ伸びる。逃げても粘るだけに2着も押さえたい。巴はFIを2場所経験して未勝利。マークされない気楽さがあり、無心で走れば一発がある。

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能2/25発売(3/6号)より

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
大谷翔平「MVP受賞映像」で「真美子夫人の妊娠説」が噴出したワケ
2
大谷翔平「3度目のメジャーMVP」でもかなわない「凱旋帰国」の高すぎるハードルと「出禁」問題
3
なんだこりゃ!岡田将生の電撃結婚を「完全スルー」した「めざましテレビ」の担当は元カノ鈴木唯アナ
4
東京ドームで観客半分の「プレミア12」にサッカーファンが「シラケる」挑発バトル
5
「踊る大捜査線」映画後編の「終わり方」は最悪だった!そして柳葉敏郎は織田裕二登場の「つなぎ役」