昨年暮れの有馬記念は、平成の怪物・オルフェーヴルが引退レースを圧勝して幕を閉じた。今年は昨年のダービー馬・キズナと武豊騎手(44)のコンビが、再びターフを沸かし凱旋門賞を制覇。空前の「タケノミクス」景気で競馬人気復活の起爆剤になりそうだ。スポーツ紙デスクが話す。
「有馬記念こそ回避したが、この休養はプラス。昨年の春の天皇賞馬・フェノーメノ(軽度の左前繋靭帯炎で休養中)らの古馬勢や菊花賞馬で同期のライバル・エピファネイアとの激突を制し、王道を歩んでくれるはず。今年はゴールドシップとの最強布陣で臨みますから、期待していいのでは」
ここ数年、リーディングジョッキー争いが激化する中、天才・武騎手の手綱さばきも注目に値する。競馬の神様と呼ばれた故・大川慶次郎氏の愛弟子で、競馬解説者の能勢俊介氏が話す。
「(10年3月の落馬事故以来)不本意なシーズンが続いていましたが、昨年は勝ち星(97勝)だけでなく、大一番のGIを2勝(ダービー&マイルCS)するなど、ここ一番に強い“武らしさ”が見られました。もちろん、あの“神”のような頃(編集部注:03年から3年間200勝オーバー)に比べれば、年齢的にも勝ち星は全盛期の7割程度でしょうが、関西のトップクラスの厩舎からも見直されている。その例が全盛期にもあえて乗せなかったリーディング争い常連の藤原英昭厩舎(13年東西2位の54勝)のトーセンラー騎乗です。昔からジョッキーの選択に厳しい厩舎が復調を認め、その起用に応えた武騎手の勝負強さ。昨秋のマイルCSの騎乗は“さすが”のひと言だった。今年の活躍が楽しみです」
ただ、さすがにリーディングジョッキーへの返り咲きとなると厳しそう。能勢氏の本命は、昨年3月のJRAデビューながら東西5位(113勝)だった戸崎圭太騎手(33)だ。
「昨年(2月23日から)連続39週勝利の新記録(過去、安藤勝の35週)を達成したように、ムラのないところが信頼に値しますね。阪神JFで初GIを制し、弾みもついたと思いますし、頼りにしてます(笑)」
一昨年が6人、昨年も7人が100勝突破と混戦を極める中、前出のデスクがその舞台裏を心配する。
「そこに短期免許の一流外国人騎手も加われば、ゴールドシップ&内田博幸のコンビ解消というような乗り替わりが増える。野球やサッカーのように監督(=調教師)の起用(レース選択)や戦術を巡り、選手(=騎手)との対立や確執が増えるでしょうね」
競馬サークルの動向も馬券選びに影響を与えそうだ。
そして昨年、競馬界を震撼させた藤田伸二騎手の暴露本も第2弾が出ることになりそうだ。
「ある版元が藤田の師匠である田原成貴との共著を企画中とか。実現すれば、2人とも競馬界に未練はなく、かなり過激な内容になりそうです」(出版関係者)
関係者は早くも戦々恐々としているという。