【「松山記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎新田祐大/○松本貴治/▲東口善朋/△取鳥雄吾/香川雄介/渡部哲男/吉田敏洋/中川誠一郎/岩津裕介/橋本強/阿部力也/野口裕史
勝てるとまでは言えないが、2、3着には押さえておきたいのが、差し脚鋭いレース巧者だ。
「松山記念」(12月2日【木】~5日【日】)は、四国のメンバーが充実している。今年2度目の開催になり、1月のレースでは地元選手が表彰台を独占した。各地区から参戦する実力者との戦いに注目したい。
それでも本命には新田祐大を推す。6年間守ったSS班の座は失うことが決まったものの、競輪祭で3勝を挙げたレース内容は、スピードスターの面目躍如だった。今回は単騎戦もありそうだが、かえってそのほうが本領を発揮する。
対抗は松本貴治。1月の覇者であり、四国は結束が固い。再び松本─橋本強─渡部哲男の順でゴールする可能性も十分ある。
あとはレース巧者の東口善朋と、競輪祭を好走した取鳥雄吾の台頭とみた。
競輪祭の初日2着以降、珍しくおとなしかったのが中川誠一郎だ。新田と同様、まくりの切れ味に衰えはない。ライン劣勢も、混戦になれば勝ち負けに絡んできてもおかしくない。
印は回らなかったが、直線の長いバンクで一発ありそうなのが阿部力也。目立たないがゴール前のタテ脚は鋭く、2、3着に押さえておきたい。
【大穴この1車】福田知也(神奈川・88期)。
GI、GIIで活躍しないかぎり、追い込み選手の名前は売れない。その典型が福田だ。1着が多いのも特徴で、8月京王閣(【1】【1】【1】)では初日が2万円、決勝戦は4万円オーバーだった。GIIIでも10月前橋2日目1着が2万円超、松山では準決勝に乗った6月GIII(【1】【4】【9】【3】)で、初日1万円超、最終日6万4180円と、直近4カ月で11回の高配当を演出している。
【狙い目の伏兵3人】
四国勢は2班も好調選手が多く、その1番手が門田凌(愛媛・111期)だ。松本貴治とは同県同期であり、師匠の橋本もいる。GIIIは6月久留米と8月川崎で準優勝。1月には1班に復帰する。ファイナリスト入りしてもおかしくない。
石原颯(香川・117期)の直近2場は、ともにGI戦。思うようなレースはさせてもらえなかったが、いい経験になった。静岡ヤングGPも決まっており、予選は突破できる。
7月にS級になった石井洋輝(福島・115期)は、FIでまだ準決勝止まりも、GIII参戦は4度目になる。石原と同い年の21歳。マークされそうにはなく、風を切れば波乱を演じるシーンがありそうだ。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。