“4度目の正直”でゲット!2022年度後期NHK朝ドラのヒロインが11月25日に発表された。「舞いあがれ!」の主役を射止めたのは、癒し系な顔立ちの若手女優の福原遥だ。
福原は小学校1年生で子役デビュー。食育番組「クッキングアイドル アイ!マイ! まいん!」(NHKEテレ)で、“まいんちゃん”を5年間務めたキャリア16年のベテランで、モデル、歌、演技、踊りに声優と幅広いジャンルをこなす隠れた演技派だ。
「朝ドラのヒロインといえば、かつてはフレッシュな新人を抜擢して、成長を見守るという趣向でしたが、18年後期以降、6作連続でオーディションなし。役柄に合わせキャスティングしてきました。本作はオーディション選考で、応募者2545人から選出。福原は4度目の挑戦でみごとものにしました。抜擢の理由は朝ドラに対する熱すぎる熱意とヤル気がずば抜けていたことにあります。それもそのはず、福原は2011年3月の東日本大震災翌月に始まった朝ドラ『おひさま』のヒロイン、井上真央に強い感銘を受け、彼女のように勇気や元気をお茶の間に届けたいと朝ドラヒロインを目標に頑張ってきたんです。長年の夢がついに叶ったわけですから、意気込みもスゴイ。制作を担当するNHK大阪放送局で行われた会見で、福原は全力投球で長丁場を乗り越える決意を熱く語りました」(テレビ誌記者)
物語は、ものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島を舞台に、パイロットになる夢に向かって奮闘努力するヒロインの艱難辛苦の半生を1990年代から現代に渡って描いていく。脚本は原作なしのオリジナルで、NHK土曜ドラマ「心の傷を癒すということ」などで知られる桑原亮子氏が担当。夢のヒロインをゲットし、体力、気力も十分という福原は、来春のクランクインに向けて準備に余念がない状況だ。
ただ、いざスタートすれば、大阪放送局でのセット収録に地方ロケと連日過密スケジュールが続く。子役出身のベテランとはいえ、少々心配な面もあるようだ。
「大阪弁です。埼玉県川越市出身の福原は関西弁初体験。7月クールの連続ドラマ『IP~サイバー捜査班』(テレビ朝日系)で京都を舞台に女性刑事を演じましたが、その時は京都弁のセリフではありませんでした。これから勉強することになります。役柄は町工場経営の父を持つ4人家族の長女役。ネイティブな関西弁を使うことが要求されます。関西の視聴者はエセ関西弁に敏感で、少しでも違和感を感じたら見向きもしてくれませんから、ここは責任重大なポイントですよ」(芸能ライター)
もう一つはホームシックだ。朝ドラヒロインは週5日間朝から晩まで収録が続き、オフは取材、宣伝、イベントに駆り出される繰り返しで、プライベートは皆無に近い。コロナ禍の折、食事や飲み会などの息抜きも満足にできず、ストレスがたまる一方。家族や友人のいない見知らぬ土地で愚痴をこぼす相手もおらず、気分転換にも苦労するはず。キャンプや釣り大好きなアウトドア派だが、許されるはずもなく、現場と自宅の往復という単調な日々を強いられることになりそうだ。
「歴代のヒロインで週末に東京にとんぼ返りした猛者もいたが、たいていは部屋にこもって人寂しさをこじらせてしまう。優しさ欲しさで恋愛にのめりこんだり、過食に走って衣装が合わなくなってしまったり。人見知りで周囲と打ち解けるのに時間がかかるという福原だけに気になります。特に今年は、連続ドラマに全クールに出ずっぱりでお疲れ度もハンパじゃなさそう。朝ドラの前に来春放送の連続ドラマ『今どきの若いモンは』(WOWOW)のヒロインも手にして、スケジュールは真っ黒。心身ともにかなりキツイはすですよ」(芸能プロダクション関係者)
放送中の主演ドラマ「アンラッキーガール!」(日本テレビ系)で、超不運な女を演じた福原。朝ドラヒロインの座という超「ラッキー」をどう生かすか見守りたい。
(塩勢知央)