【「KEIRINグランプリ2021」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補9人!】◎平原康多/○郡司浩平/▲松浦悠士/△古性優作/守澤太志/佐藤慎太郎/吉田拓矢/宿口陽一/清水裕友
実力伯仲の一発勝負は、最後の直線での攻防が明暗を分けることになる。
競輪界の1年を締めくくる「KEIRINグランプリ2021」(12月28日【火】~30日【木】)が静岡競輪場で開催される。3日間の最終レースで行われる“グランプリ3戦”は、22年を占う好勝負になるとみた。
SS班9人による「グランプリ」(30日)は、吉田拓矢─平原康多─宿口陽一で並ぶ関東トリオが先行する。その後ろに東北の守澤太志─佐藤慎太郎。単騎の郡司浩平と古性優作はラインの切れ目でチャンスをうかがい、清水裕友─松浦悠士の中国両者が動いて戦闘開始のゴングが鳴る─。
本命は9年連続、12回目の出場となる平原だ。関東3者の結束は固く、後方からの攻めを封じて、番手まくりで悲願のビクトリーロードを駆け抜ける。
対抗は郡司。昨年は引き出し役に終わったが、今回は自分のレースに徹するだけ。中団キープが逆転の条件になる。あとは、復調著しい松浦と、ファイター・古性の台頭を警戒する。
前走の広島記念で守澤が鎖骨を骨折し、東北の2人には厳しい戦いになりそうだが、佐藤は必ず見せ場は作ってくれるだろう。
115期と117期の韋駄天がそろう「ヤンGP」(29日)は、残り2周の赤板から「俺が、俺が!」の主導権争いは必至で、本命の山口拳矢に絶好の展開になる。道中は脚力を温存して、ゴール前で抜け出し、惜しくもSS班の座を逃した無念を晴らす。
対抗は先行に迷いない町田太我。この2人に▲坂井洋と△寺崎浩平が真っ向勝負を挑むことになる。
「ガールズGP」(28日)は児玉碧衣が断然の主役。ガールズの記録を次々に塗り替える絶対女王に死角は見当たらず、4連覇の金字塔を打ち立てる。2着争いは○石井寛子、▲小林優香、△高木真備の順も、この3人に差はない。
3日間のFI「寺内大吉記念杯」は、記念クラスの豪華メンバーだ。機動型によるスピード戦濃厚で◎野原雅也、○松井宏佑、▲森田優弥が三つ巴の優勝争いを演じる。波乱を呼ぶとすれば、混戦に強い△諸橋愛の差し切りだ。
【大穴この1車】小川真太郎(徳島・107期)。
筋違いの2、3着で、高配当をよく出している。鋭いまくり脚があり、10月には親王牌4走目3着が1万円超、防府記念初戦3着は13万8320円だった。人気薄なら、手広く網を張っておきたい。
【狙い目の伏兵】
119期で特昇1番乗りを果たした吉田拓の弟、吉田有希(茨城)は、兄を上回る逸材かもしれない。FIとはいえ、ここまで3場所連続V。前走の西武園決勝戦では森田優(3着)を完封している。連勝で勝ち上がるようなら人気になるだろうが、狙ってみたい。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。