1月初場所の1月9日から23日までの15日間、特別展「69代横綱 白鵬翔」が両国国技館の相撲博物館で開催された。間垣親方(白鵬翔)が現役中に使用していた三つ揃いの化粧まわしや横綱の綱、太刀など約100点を展示。中でも人気を集めたのは、「賜杯タワー」。2006年五月場所の初優勝から2021年七月場所までの45回優勝のうち、43個の天皇賜杯の模杯(レプリカ)を飾ったものだ。
2個少ないのは、2010年七月場所は野球賭博問題、2011年五月場所は八百長問題のため、賜杯贈呈がなかったことによる。ちなみに、この展示アイデアは白鵬自らの提案によるもの。
また、話題を集めたのは、相撲教習所時代の白鵬の自筆ノート。最強力士・雷電に自身をなぞらえたイラストが描かれていて、横綱を締めた化粧まわしには白鵬の四股名が。ちなみにトクマコミックス「白鵬本紀」第1巻「英雄の子」でもこのノートは紹介されている。
さて、そんな間垣親方を巡る近況報告から始まった同時進行相撲マンガ「白鵬本紀」第40番「朝青龍への援護射撃」は2月15日発売の「週刊アサヒ芸能」2月24日号に掲載。物語は2004年五月場所に移る。
新入幕を果たした白鵬。緊張の初日は白星発進することができたが、3連勝のあとは2連敗し、6日目からは再びの連勝街道をひた走った。11日目の黒海戦で3敗目を喫するも、星の差2つで北勝力(ほくとうりき・栃木県出身、八角部屋)を、1つ差で朝青龍を追いかける展開。新入幕ながら、優勝戦線に食らいつく白鵬であった。
そして、迎えた千秋楽。白鵬はトップを走る北勝力と対戦することに…。
千秋楽まで、2差は縮まらず、白鵬優勝の可能性は消えたが、「もし、自分が勝って、朝青龍関が勝てば、優勝決定戦になる!」
はたして、勝負の行方は─。
「土俵の上では鬼になって勝ちにいくことこそが横綱相撲だと考えていました」
2021年10月1日(金)東京・両国国技館で開かれた引退記者会見での白鵬の言葉である。
「横綱になれた頃は、自分の理想の相撲である『後の先(ごのせん)』というものを追い求めたいと思っていました。しかし、度重なる怪我に見舞われ理想とする相撲が取れなかったことも事実です」
若き日の白鵬のエキサイティングな日々に加え、この告白の真実も、トクマコミックス「白鵬本紀」第2巻「白鵬のいちばん長い日」で、さらに詳細に語られる。