大相撲三月春場所が、3月13日(初日)から27日(千秋楽)まで、エディオンアリーナ大阪で開催される。新型コロナの感染拡大の影響により、2年前は無観客開催、昨年は東京開催だったため、観客を入れての開催は3年ぶりとなる。
新大関・御嶽海のお披露目場所である。熱戦を期待したい。
さて、同時進行相撲マンガ「白鵬本紀」42番「稽古で壁を破る!」は、3月1日発売の「週刊アサヒ芸能」3月10日号に掲載。舞台は、2004(平成16)年6月の中国・上海。当時、1973年(昭和48年)以来となる2度目の大相撲中国公演が北京と上海の両都市で2日間ずつ、開催されたのだが、ここで、白鵬(現・間垣親方)と朝青龍の因縁のドラマが展開されたのである。
上海場所2日目の最後の一番は、初日のトーナメント優勝者の横綱・朝青龍と2日目の覇者・白鵬の総合優勝を懸けた一戦。切り返しにきた朝青龍に対し、内側に入っていた足を抜いた白鵬。バランスを崩した朝青龍は腰から崩れ落ち、まさかの白鵬勝利!この時、白鵬が真っ先に思ったのは「まずい!」。海外公演で、新入幕力士が横綱に勝って優勝するなどあり得ないこと。支度部屋に戻った時、すれ違った朝青龍から、鬼の形相で睨まれたと、後日、白鵬は語っている。
そして、迎えたのが、3カ月後の九月場所。9日目で横綱・朝青龍と本割で初対戦する白鵬だが、あえなく、強烈な下手投げで土俵に叩きつけられるのであった。
その後、足掛け7年に及ぶ「対決」の始まりである。
横綱の壁を実感しつつも、「あの横綱と対等に勝負できるようになるには、どういう稽古をしないといけないかということだけはわかりました」と、龍皇(サンチル)に、語る白鵬であった。
「記憶に残る取組は朝青龍関に勝った金星と63連勝後、稀勢の里関に負けた一番です!」と語った白鵬。数々のライバルたちとの名勝負を描いたトクマコミックス「白鵬本紀」第3巻「生涯のライバル現る!」が発売中である。日々、勝負しなければならない男たちに、その本質を教えてもくれるエキサイティングな若き日の白鵬を読むことができる「白鵬本紀」第1巻「英雄の子」、第2巻「白鵬のいちばん長い日」と併せ、一気読みのチャンス到来と言えよう。