“令和版、新感覚ミステリードラマ”と銘打ったテレビドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)の視聴率が好調をキープしている。1月10日放送の第1話が13.6%(世帯平均視聴率、以下同じ)、2話が12.7%、3話が13.2%、4話が13.3%と、ここまでで約13%を保っている。冬季五輪が始まってからも、各局のドラマ勢が1~2%程度ずつ数字を下げているのを考慮すると、5話の10.0%と6話の10.2%は、むしろ大健闘と言える流れではないだろうか。
オリコンのドラマ満足度ランキングでも、毎回上位をキープし続けており、月9のかつて定番だった“若者向けかつ恋愛もの”というコンセプトを取っ払っての大博打が、順調に花開いて来たようにも思える。ただ、さる芸能ライターによれば、「今後の展開次第では数字に陰りが見えることもありそう」というのだ。どういうことなのか。続けてもらおう。
「2話続きで一つのエピソードが展開された5話と6話には、ゲストとして原作コミックにも登場するライカなる謎多き女性が登場しました。演じたのは門脇麦ですが、ライカの登場に伴い、ネットでは“恋愛要素を絡めるな!”という声が出始めたんです」
例えば5話で、ヒロインの新人刑事で巡査の風呂光聖子(伊藤沙莉)が、病院に検査入院している主人公の大学生・久能整(菅田将暉)に届いた贈り物が“誰から届いたのか?”“恋人からなのか”とやたら気にするシーンがあった。
「それに対して整が、ミステリアスなライカに対して恋心を抱くのならまだしも、風呂光からの恋愛フラグは不要だという意見が出ていました。《原作に全くないキャラクターとの恋愛要素がねじ込まれていて、フジ月9の苦手なところがきてしまった》なんて厳しい声も出ています。風呂光には《なんであんなに出てくるんだ?》《伊藤沙莉の不幸顔は見てらんない》など、風呂光のキャラに共感する視聴者が残念ながら今のところとても少ない。そのあたりは意見が分かれるところでしょうが、伊藤の持ち味であるテンポ良い“しゃべり”あわよくば艶シーンも期待したい気もしますね」(前出・芸能ライター)
また、整が、自分の持論を淡々&長々と話しつつ周囲の心を解きほぐしていく、という会話劇のシーンがこのドラマの最大の見どころになるのだが、
「その際に流れてくる《BGM》が《うるさい!》とか、要所要所でもクラシック音楽が流れてきますが、《もう少しボリュームを下げられないのか》などという声も非常に多かった。こうした不満を抱く視聴者が、離れていかなければいいんですが…」(前出・芸能ライター)
原作愛の強い視聴者が多いということの表れでもあるのだろう。原作とドラマは別モノとはいえ、人気原作のドラマ化には常につきまとう悩ましき事象であることを改めて感じさせられる。とはいえ、そうした不満の声は不満の声として、ドラマ版としてのさらなる興味深い展開と視聴率の伸びにも注目したい。
(島花鈴)