佐々木が渡部と結婚したのは17年4月。2年後の9月には第一子となる男児を出産した。スポーツ紙芸能デスクが述懐する。
「当時は渡部もテレビのレギュラー5本を抱える売れっ子。佐々木はあくせく働く必要もなく、出産を機に女優業をセーブした。割のいいCMをメインに仕事をこなしていましたが、トイレ不倫の影響で仕事を選べる状況ではなくなった。ドラマの端役はもちろん、バラエティー番組でイジられたり、舞台のオファーも率先して受けざるを得ない状況になりました」
「白黒アンジャッシュ」の復帰回では、渡部の復帰に向けて各方面に頭を下げたという相方の児嶋が、
「お前のためというより、お前の家族のため」
と断言したが、佐々木は経済的なバックアップのみならず、健気にも夫の心のケアにも腐心してきた。
「大黒柱だった渡部は収入ゼロどころか、前年分の税金の支払いもあってマイナス。かなり落ち込んで部屋から一歩も出られない日が続いた。そんな夫を郊外の100円ショップに連れ出して『けっこういいモノ買えるんだよ』と激励。この倹約デートで渡部の肩の荷も下りて、主夫としての生活を楽しめるようになったそうです」(芸能関係者)
そんな佐々木が新境地を開いたのが、現在放送中の「ユーチューバーに娘はやらん!」(テレビ東京系)。ドラマ解説者の木村隆志氏はこう評する。
「佐々木さんといえば、NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で演じた社長令嬢のように、美人キャラで周囲を惑わせるような役どころが多かったのですが、今作は第1話で結婚式の最中に新郎が逃げてしまうという波乱の展開。参列していたユーチューバーやテレビマンに支えられながら一人で披露宴をやり切る役でした」
披露宴の最後に披露した3分以上にわたるスピーチでは、新郎について「責めないであげて」と述べ、「私も竜二(新郎)も大丈夫です」
と力強く語って来場者に感謝を伝えたが、
「簡潔に言えば、ダメな男に翻弄される幸薄い女。それでも逆境にめげず、懸命に頑張る姿に、私生活での渡部さんの件を重ねて共感を覚える視聴者は多かったのではないでしょうか。ドラマでは等身大のOLを演じ、ヘン顔も披露するなど、新たな一面も覗かせてくれます。作り手側にとっては『こういう役でも引き受けてくれるのか』という発見もあって、今後はますます幅広い作品からオファーが届くと思います」(木村氏)
夫のゲス不倫をバネに、一発逆転にかける逞しい姿がそこにあった。