巨人の3軍監督を務める駒田徳広氏は、1980年ドラフト2位で巨人入団。84年から指揮を執っていた王貞治監督からは“一本足打法”の後継者とも目されていたが、結果を残せないままその打法を断念した過去がある。
しかし、王監督の指導は今も駒田氏の記憶に刷り込まれているようで、その仰天のバッティング理論を振り返る動画があった。巨人で活躍した元プロ野球選手・岡崎郁氏のYouTubeチャンネル「アスリートアカデミア」がそれであり、1月15日付け投稿回に駒田氏が出演してのこと。
とある日のフリーバッティングでの練習中、左打者の駒田氏に、踏み出す右足をどこに着地しているか訊ねた王監督。「ここです」と答えると、「何でそこなんだ?」とさらに質問が。王監督の真意は、投球に差し込まれないように前で打つことは肝要だが、それが変化球だった場合、さらに前で打つことが必要になることから、足の着地点は一定しないのだということだった。
当時は「さらに(足の着地点を)前で打つなんてできないよ…」と考えていたという駒田氏。その理屈を「まだ理解しきれていない」としながら納得できたのは、変化球に泳がされても踏み出す足の着地点をさらに前に伸ばして打ち、内野安打にしてしまうイチロー氏のバッティングを見てのことだった。
王監督の一本足打法とイチロー氏の振り子打法に類似性を見出し、両氏をともに「天才」と讃えた駒田氏。頭の中ではわかっていても実戦となるとなかなかできない、次元の高い技術なのだろう。
(ユーチューブライター・所ひで)