●ゲスト:アグネス・チャン(あぐねす・ちゃん) 1955年、香港生まれ。1972年、「ひなげしの花」で日本歌手デビューし、一躍人気アイドルに。上智大学国際学部、カナダのトロント大学(社会児童心理学)卒業。1989年、米・スタンフォード大学教育学部博士課程に留学、1994年に教育学博士号を取得。エッセイスト、2016年ユニセフ・アジア親善大使、日本対がん協会「ほほえみ大使」など幅広く活動中。プライベートでは1985年に結婚、3人の息子の母でもある。「~アグネス50周年記念~クラウンコンプリートコレクション しあわせの花束をあなたに」(日本クラウン)、初CD化となる「ABC AGNES(+11)」「美しい日々(+7)」(共にブリッジ)発売中。最新著書「スタンフォード大学に3人の息子を入れた 賢い頭としなやかな心が育つ 0歳教育」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)発売中。
1972年に「ひなげしの花」で日本歌手デビュー。その後、一躍人気アイドルとなったアグネス・チャン。しかし、その絶頂期に海外留学し、世間をアッと驚かせた。その真意は何だったのか。米スタンフォード大学で学び、博士号を取得した才女に天才テリーが挑む!
テリー アグネスと初めて仕事したのって、30年ぐらい前かな。
アグネス それ以上かも。今年、歌手デビュー50周年なんです。
テリー すごいよねぇ。どう、改めて振り返って。
アグネス 信じられない。その一言です。生きていることが信じられない。
テリー 声も変わらないけど、ボイストレーニングはしてるの?
アグネス してます。私、乳ガンになったじゃないですか。乳ガンの治療を受けると、声帯が縮んじゃうんです。でも、治療が終わってから、何年間もかけてトレーニングして。最近は調子ほんとによくなりました。
テリー エラいなぁ。
アグネス 女性は閉経すると、声帯に影響が出るらしいんです。私と同年代で一生懸命歌ってる方はすごく努力してるんです。
テリー 特にアグネスの場合は、あのアグネスの声をファンが期待してるじゃない。ただうまければいいわけじゃないから、余計キープするのが大変だよね。
アグネス 大変です。自分の声を、ノドの空間の中で探すんですよね。使う場所が曲によって違ったりするから、それはすごい細かい作業で。アイドル時代の歌が一番難しいですね。
テリー そんな微調整してるんだ。
アグネス 一時期、ボイストレーニングをやってなかった時期もあるんですけど、香港のファンからも歌を聴きたいっていう要望がすごく多くて、2018年に大きなコンサートをやったんですね。その時に自分でもかなり刺激を受けて、5年ぐらい前から一生懸命やってます。
テリー この前、中野サンプラザで50周年のコンサートをやったでしょう。何曲ぐらい歌ったの?
アグネス 22曲です。
テリー わぁ。歌詞カードは見るの?
アグネス 見ないんです。私は覚えられます、まだ。
テリー それもスゴいよなぁ。歌詞を覚えても、万が一ってこともあるし、普通はプロンプターを用意したくなるじゃない。
アグネス だから、イヤになるぐらいほんとに練習するんです。ずっと繰り返し聴いたり歌ったりして、絶対忘れないように。日本でのコンサートは、まだ慣れてる曲が多いからいいんですけど、香港でやる時は大変で。去年も二十何曲歌ったけど、うち18曲は初めて歌う曲でした(笑)。レコーディング以外で歌ったことないんです。
テリー 覚えて歌うと全然違う?
アグネス 全然違います。歌詞を見ながら歌うのは、読んでるだけで歌ってるんじゃない。見ないで歌う時は、曲と向き合ってるの。だから、友達から「カラオケで歌う時のアドバイスください」って言われたら、「好きな曲の歌詞はできるだけ暗記して」って。そしたらメチャクチャ上達して、点数上がったってすごい喜んでくれた。