テリー この前「スタンフォード大学に3人の息子を入れた 賢い頭としなやかな心が育つ 0歳教育」という本を出したでしょう。0歳からの教育って早すぎないの?
アグネス 脳が一番成長する時期が0歳から12カ月なんですね。この時、脳細胞の量はだいたいみんな一緒なんですけど、細胞と細胞をつなぐ「シナプス」が一番作られる時期なんですよ。だから「まだ何も知らない赤ちゃんだから、寝て、食べて、起きてればいい」じゃなくて、いっぱい抱っこされて、話しかけられて、安定して成長してる子は、シナプスがいっぱい作られるんです。逆に刺激を受けてない子は、作らないから少ないんです。
テリー シナプスが多いとどうなるの?
アグネス 回路をいっぱい作ってるのと一緒だから、シナプスがなければ、AからBに行くために遠回りしなきゃいけないの。だけど、シナプスがいっぱいつながっていれば、AからBにシャッと行けるんです。「頭の回転が早い」って、そういうことなんですよね。
テリー へぇ。まず何をすればいいの?
アグネス まずはね、同じような毎日じゃないほうがいい。この時間に起きて、この時間に寝てって、規則正しいのがいいわけじゃなくて、できるだけ毎日アハ体験を与えてあげる。それで、背負ってる赤ちゃんに自分がやってることを全部話してあげるんです。今、ここに赤ちゃんがいるとしたら、「今、隣にテリー伊藤さんがいますよ。あれはカメラですよ」って。歩いてる時も「ママ、今からドア開けるからね。これがドアノブだよ。今、電気つけるからね」って、ずっと情報を与えてあげるんです。
テリー 実況みたいに?
アグネス そうです。
テリー 端から見たら、ただの独り言だよね。
アグネス 独り言です。
テリー でも、それって0歳の赤ちゃんは何だかわからないじゃない。
アグネス いや、わかるかわからないか、誰もわからないよ。だから、とにかくいっぱい話しかけて教えてあげる。あと、本を読んであげたり、歌ってあげるのもいいですよ。
テリー アグネスは中国と日本の文化を両方知ってるでしょう。子供にはどっちを教えたの?
アグネス 私は全部やりました。だから、うちはもう年初めから、ずっとお祭りです。日本のお正月をやって、中国の旧正月をやって、節分やって、バレンタインやって、ひな祭りやって、中国のこどもの日をやって。
テリー 毎日が祭りだ。
アグネス そう。みんなの誕生日とか母の日、父の日、端午の節句、中秋の名月とか、ちゃんとそのイベントに合わせた料理も作って、大々的に全部やります。すごい忙しいんです。
テリー その料理もアグネスが作るの?
アグネス もちろん。料理を作るとすごい頭がよくなるから、子供たちにも教えて手伝ってもらったり。だから、子供たちもいい思い出がいっぱいあります。
テリー だってその間、芸能活動もしてたよね。
アグネス だから、毎日すごい戦いです。
テリー すさまじいな。
アグネス でも、今はみんな独立したから。立春もひとりで料理作って、節分に豆まきもしたけど、何にも盛り上がらない。「え?」っていう感じです。