テリー それだけ愛情を注ぐと、逆に反発されることはなかった?
アグネス うちはあんまりなかったですね。次男が一番不良になる要素があったんですけど。たぶん、なりにくいよね、こういうママって。
テリー まぁ、そうだね。
アグネス 彼が大学生になった時かな。突然「ママはお兄ちゃんと弟が好きだよね。僕のことあまり好きじゃないよね」って言い出したことがあって。「ええっ?」となって。私は3人平等に愛してたのに伝わってないのかと思って、もうなんかショックで。だって大学生だよ。取り返しつかないよね。
テリー なんでだろうね。
アグネス わからないです。それで仕事をセーブして。その時、彼、大学でミュージカルの主役に選ばれて、いろんな国へ行ってたんですね。だから、それを追っかけようと思って、追っかけになったの。
テリー ええっ、息子の!?
アグネス そう。大学生のミュージカルの。中国とか韓国とか、アメリカまで行って。それで取り返しがつきました。
テリー そうか。そこまでやられたら不良になりようがないな(笑)。今、一番上はいくつなの?
アグネス 35です。もう結婚して。
テリー じゃあ、お母さんからそういう教育を受けたら、今度は自分の子供にもそうするだろうね。
アグネス ぜひそうしてほしい。でも、これ言うとまた自慢みたいになるんだけど、ほんとにいいお嫁さんなの。ほんとにいい子をもらったよ、あいつ。
テリー どこが?
アグネス まず純粋ね。それで息子のことが大好き。もうそれでOKなんだけど、おまけに丈夫だし、よく働くし、料理も大好きで、可愛くて、優しい。
テリー 完璧だ。
アグネス それで自分のお母さんに対しても、ものすごい親孝行。もう100点満点!
テリー いいなぁ。どうしてアグネスはそんなに素敵な人生を歩んでるんだろう。
アグネス 素敵じゃないです。感謝ですけど。
テリー これからの人生の目標とかはあるの?
アグネス 乳ガンになる前は人生のプランがあったんです。子供にはいつまでに結婚してほしいとか、このぐらいの時に孫がいたらいいなとか。でも、乳ガンになった時、いつ死ぬかわからないんだと思って。長生きできると思ってるのがエゴだし、欲張りなんですよね。だから1日1日を大事にすることが、ちょっと大ゲサかもしれないけど、与えられた命への敬意かなと思ってるんですね。だから目標としては、できるだけ悔いのない1日にしたいと。長めの計画はないんです。
テリー でもさ、毎日それだと疲れちゃわない?
アグネス できない場合もいっぱいありますよ。毎日気持ちも違うし、忙しかったりして、いろいろ忘れちゃうんだけど。でも目標としてはそれだから、ほんとにいただいたもの、自分ができるものにありがたく取り組んでいく。それが一番正しいかなと。今を生きる‥‥。
テリー 悩みはないの?
アグネス 早く孫を作ってもらわないと、孫の面倒を見る体力が足りない。周りはもうみんな孫がいて、うちの姉なんか今度3人目が生まれるんですよ。これは子供には言えないけど。
テリー プレッシャーになるからね。でも、悩みっていうか、素敵な悩みだね。
アグネス うちは3人男の子だったから、できたら女の子がいいなぁ。孫の顔が早く見たいですね。
◆テリーからひと言
アグネスは優秀すぎて、俺なんか話にならないよなぁ。100歳まで、ミニスカートにハイソックスで歌っていてほしいね。