最近、突然流れ始めたCMにお気付きだろうか。体に帯状に発疹ができ、激痛を伴うことが多いといわれる帯状疱疹ワクチンのCMである。罹患した人は周囲にいるが、それほど多くはない。なのに「今、なぜ急にCM?」と疑問を持つ人は多いようなのだ。
帯状疱疹は子供の時にかかった水疱瘡の、閉じ込められていたウイルスがストレスなどで出てくるものだが、実は新型コロナワクチンの2回目接種が進んだ頃から帯状疱疹になる人が急増している、という声があちこちから聞こえていた。帯状疱疹になったという50代の女性が語る。
「首筋、口の周囲に発疹ができたので、何だろうと思ってすぐに皮膚科クリニックを受診しました。診断はすぐに出て『帯状疱疹です。コロナのワクチンは打ちましたか』と聞かれたので『はい』と答えました。医師もワクチンとの因果関係はわからないようですが、2回目の接種後に急に増えたということでした。そして『最近、診ている患者さんは、帯状疱疹の人ばかりなのよね』とも言っていました」
また、60代の男性も、
「取引先の人から、帯状疱疹になっちゃったと連絡がありました。その後も知人が『僕の先輩が帯状疱疹になっちゃって』と言うんです。近所の和菓子屋の女将さんと会った時にも『口の周りにブツブツができた』というので『診てもらったらどうか』と言ったところ、帯状疱疹とわかり‥‥。おまけに、女将さんの娘さんのお姑さんも帯状疱疹になったというのです。どういうわけか、帯状疱疹の人だらけですよ」
この60代男性は帯状疱疹ではなく、蕁麻疹が再発して皮膚科を受診。その際、医師に帯状疱疹のことを聞いたところ『帯状疱疹のワクチンもありますよ。最近、多いんですよ』と言われたので、その場でワクチンを打ってもらったという。
実はコロナワクチン接種後に帯状疱疹が増えている、という報道はいくつかあった。ただ、どれもワクチンとの関係には触れず、増えているという事実だけを取り上げるものだった。
ところがテレビはこうした情報すらほとんど取り上げず、3回目の接種が進んでいないという情報だけには熱心だ。そこへきて、帯状疱疹ワクチンのCMである。報道にかなり偏りがあるという印象を持つ人が、これから増えるのではないか。