政府が新型コロナ感染症を、新型インフルエンザの2類以上相当から、季節性インフルエンザと同じ5類に変更することを決めた。ところがこれに、新型コロナでウハウハな恩恵にあずかってきた医療関係者らの、見苦しい発言が目立つのだ。
例えば、変更が発表された1月20日の「報道1930」(BS-TBS)。コロナで劇的にテレビ出演が増えたインターパーク倉持呼吸器内科クリニックの倉持仁院長がゲスト出演したのだが、医療がどう変わるかという視点ではなく、「5類になると医療機関に8000円出ている国からの補助がもらえなくなる」などと、何度もお金の話を持ち出した。気にしているのは医療機関の経営と金儲けらしい。
キャスターの松原耕二も何のツッコミも入れず、散漫な話を繰り返すばかり。何を言いたいのか、さっぱりわからなかった。松原は理論的、科学的な話になると整理がつかない傾向があるのだが、結局、何が困るのかを炙り出すことすらできなかったのである。医療ジャーナリストが語る。
「倉持院長などコロナ専用の施設を作っている医療関係者にとっては、困ることが出てくるのかもしれませんね。一方の松原キャスターにしても、テレビ局がワクチンの会社からスポットCMをバンバンもらっていることで、忖度が働いているとしか思えない。一説には、年末年始だけでワクチンのCMが100本以上も流れたとされ、テレビとワクチンの深い関係が明らかになっています。コロナの終息、風邪と同等症への移行を素直に歓迎できない面があるのでしょう」
5類になると患者が一般の病院やクリニックに行くことになるが、拒否する医療機関が出てくるのではないか、との危惧もある。そもそも5類になれば、どこで診療してもらってもいいのであり、医療拒否などあってはならないのだが。
要は、国が誰もが受診できる医療体制にすると決めたわけで、それに従うほかない。緊急事態宣言下などで国に従ったら、結果的に潤った。5類になったら儲けが減るので、ちょっと…というレベルの話では困るのである。