減少に転じていた東京都内の新型コロナ新規感染者が増えつつある。全国でGW明けのリバウンドが警戒される中、悲痛な声が漏れてきた。
「今年の夏に出産を控えています。国や東京都が注意喚起しているリバウンド警戒期間だけでもラッシュを避けようと、時差通勤を申請するための書類をダウンロードしようとしたら、厚労省のホームページからリンク先が開けませんでした」(都内の妊婦)
GW期間中、厚労省のコロナ関連ホームページの一部が閲覧できない状態が続いていたことをご存じだろうか。
サラッと確認しただけでも、妊婦向けのサイトや生活困窮者のサイト、濃厚接触者や検査案内のサイト、そしてワクチンのQ &Aもリンク先不明と表示されていた。(その後、5月8日15時現在、これらのサイトは閲覧可能になっている)。
当たり前だが、GW期間中も休み返上で、地方自治体や医療機関はコロナ患者対応に追われた。人工呼吸器や人工肺で治療中の重症患者もゼロではない。ところが医療現場や保健所の陣頭指揮を取るはずの厚労省の官僚達は、我先にとゴールデンウィークを満喫していたようだ。
厚労省といえば、2021年6月に行われたワクチンの安全性を検証する専門家のオンライン会議とされる映像が、今年1月にYouTubeやニコニコ動画に、一斉に流出した。すでにYouTubeは当該動画を削除し、投稿者のアカウントも凍結されている。
もともとセキュリティの甘いZoomで大勢の関係者が視聴しているような会議だから、反ワクチン派が騒いでいるだけで、実際には大した内容でないのは不幸中の幸いだった。仮にこれがワクチン製薬企業との契約に抵触する重要機密事項の漏洩だった場合、今後のワクチン購入が困難になることもあるからだ。
流出映像は今週に入っても、Twitterやニコニコ動画に次々とアップされている。これらを含む、ワクチンに関するデマを払拭するためのワクチン接種相談窓口や、ワクチンの疑問に答えるホームページが開けない事態を引き起こしたのだから、厚労省職員の危機意識の欠如は明らか。インターネットのサイバー攻撃や内部情報流出に策を講じていないことだけは間違いないだろう。
厚労省がホームページの不具合を修正しなかったGW期間中、日本全国で320人余がコロナで死亡した。