テレビからどんどんゲスいものが消えていく。昔から深夜放送は卑猥とナンセンスの宝庫だった。「11PM」(日本テレビ系)や「トゥナイト」「トゥナイト2」(テレビ朝日系)、「ギルガメッシュないと」(テレビ東京系)、「おねがい!マスカット」(テレビ東京系)あたりまで。単に下品なものもあったが、そこには成熟した文化がしっかりあったような気がする。
令和4年の今、深夜のテレビから卑猥とナンセンスは消え、残ったのはお笑いタレントの似たような番組で、大人が見るに堪えない代物ばかり。
そんな中でも、世間の冷たい風にも負けず、いまだ「卑猥とナンセンス」を貫く番組がある。「じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~」(テレビ東京系)だ。
ネプチューン名倉潤、次長課長・河本準一、熊切あさ美という脛に傷持つ3人がMCを務めているところもポイント。芸能界の裏話や過去に起きた事件の、当事者による真相を聞いていく。
4月22日は「今だから話せる!あの事件の裏側SP」と題して、前半が映画コメンテーター有村昆、後半が弘中惇一郎弁護士だった。不貞映画コメンテーターの有村と、カルロス・ゴーンや数々の有名人を担当し、無罪請負人の異名を持つ弘中弁護士を同じ日に出すという振り幅の凄さ。しかも、有村の放送時間の方が長いという…。
それがこの日の「映画コメンテーター有村昆の人生を180度変えた不貞報道の一部始終」。昨年、不貞を報じられた有村は抱えていたレギュラー番組5本を降板し、妻とも離婚。憔悴しているのかと思いきや、予想に反して明るかった。
どんなふうに女性を口説いたかという話になり、さんざん報道された、例の「超お下劣なクイズ」のタイトルを有村が発する。「なにそれ~!? 1問やってください」とノリノリの熊切。番組はここから突如、クイズコーナーに。
「じゃあ私、有村昆の好きなアノ体勢はなんでしょう」と有村。
「最低」といいながらもニッコニコの熊切。
名倉「俺は~ノーマルと見せかけて、座ったやつ!」
河本「僕は昆さんニコニコと見せかけて野獣になるので、後ろから立って!」
有村「ああ、結構近いです。かなり近い。種類が違います」
熊切「いろいろ種類があるの?」
名倉「横」
有村「ああもっと近い」
熊切「寝!」
有村「正解です。おめでとうございます」
正解した熊切に対し、「何をしてんねんな、ホンマに」と河本。名倉も「おい。何張り切って答えてんねん。お前は答えんでええねん」。クイズに嬉々として参加してきた熊切をたしなめる2人。
と言いつつも、楽しい空間がそこにあった。
「クイズ、面白いじゃん。酒の席で人生論語られるより、よっぽどいいよ」と河本も賛同していたが、このノリが世間で通用するかどうかは保証の限りではない。
有村の話で面白かったのは、自粛生活の間、自粛経験者がたくさん連絡をくれたこと。狩野英孝からは「自粛中は植物育てたほうがいい」など、経験に基づくアドバイスが。宮崎謙介も「アリコンさん、わかりますよ。大丈夫ですか」と連絡がきたとか。自粛の間、カラテカ入江の清掃会社で2、3カ月バイトもしていたという。まさに自粛経験タレントの輪、だ。
不貞つながりか、最近は宮崎謙介、原田龍二とセットで番組に呼ばれることが多く、3人だけのライングループ「アニキの会」もあり、傷の舐め合いをしているとか。
にしても、そんなゲスいグループにも入れてもらえないアンジャッシュ渡部建って…。
(堀江南)