オミクロン株対応ワクチンの接種が、全国的に急ピッチで進められている。
今回のワクチンの最大の特徴は、最初の「武漢株」と現在流行中の「オミクロン株(ただし、BA.1型)」という2つの株に対応する「2価ワクチン」である点だ。
一方、1回目接種と2回目接種に使用されたワクチンは、ファイザー社製であれモデルナ社製であれ、すべて武漢株由来のワクチンだった。それでも、その後のアルファ株やデルタ株などにも一定の効果を示していたのは、ウイルスが変異しても、全ての構造が変わってしまうわけではないからだ。
とはいえ、どうせ接種するなら最新株に対応したワクチンが理想的であることは、言うまでもない。
ところが、今回のオミクロン株対応ワクチンの対象者は、原則として「最低でも2回目の接種が終了している者」に限られている。感染症学の専門家は憤懣やるかたない様子で、次のようにまくしたてた。
「厚労省が示したこの指針を目にした時、わが目を疑いました。要するに、ワクチン未接種者を対象から排除しているのです。医学的には、未接種者といえども、否、未接種者だからこそ、最新株対応ワクチンの接種が理想的であるにもかかわらず、です。いろいろ調べてみると、どうやら国は調達しすぎて余ってしまっている従来株ワクチンを、未接種者に押しつけようとしているようです」
事実、未接種者も含めて、2回目までの接種を終えていない人は、従来株対応ワクチンしか打てない仕組みになっている。この専門家が続けて、
「使用期限を過ぎたワクチンは、廃棄しなければなりませんからね。未接種者にはそれを片付けてもらうので十分だ、と。実は今、厚労省の一部では『残飯整理』なる隠語も囁かれている。『オレたちの言うことを聞いてこなかった未接種者には、残飯整理でもさせておけ!』ということなのでしょう」
岸田ワクチン政策にとっては、未接種者は「非国民」ということらしい。