80年代から統一教会問題の取材を続けるジャーナリストの有田芳生氏が糾弾する。
「岸田総理は、旧統一教会に問題があるから今後は距離を置かなければならないとは言うが、なぜ旧統一教会や関連団体と関わってはいけないのかについては一切、説明していません。反社会的な霊感商法を行っている旧統一教会と関係を断つことが重要なのに、何が問題なのかをはっきりさせていない。そのため基準もあいまいで、前の内閣では7人が旧統一教会と関係していたが、今回の改造で8人になるというおかしなことになってしまった」
岸信夫前防衛相(63)、末松信介前文科相(66)ら、旧統一教会との関係が指摘された閣僚7人を交代させたが、結果的に第2次岸田内閣で「カルト閣僚」は8人に増えていたのだ。
「特に悪質極まりないのが、旧統一教会との関係についてだんまりを決めながら、留任が決まったとたんに関係を白状した山際大志郎経済再生担当相です。11年の統一教会系のイベント『アジアと日本の平和と安全を守る全国大会』に参加するなど、かなり古くから深い関係を持っていたことがうかがえます。多かれ少なかれ地元選挙区の旧統一教会と付き合うのはどの政治家でもあることですが、山際氏はこの後も全国規模のイベントに出席していることから特濃議員と言えます。岸田総理は閣外に出したかったはずですが、党内では麻生派の甘利明前幹事長の一番弟子という派閥の論理で排除できなかった」(デスク)
会見では「通常の政治活動の一環だった」などとシレっと開き直った山際氏。経済再生以外にも新型コロナ担当相も兼務する重責だが、岸田内閣はカルト頼みで難局を乗り切るおつもりか。
一方、自身のTwitterで前代未聞のつぶやきをしたのが高市早苗経済安全保障担当相だ。
〈組閣前夜に岸田総理から入閣要請のお電話を頂いた時には、優秀な小林鷹之大臣の留任をお願いするとともに、21年前の掲載誌についても報告しました。(中略)今も辛い気持ちで一杯です〉
なんと、入閣を固辞したという前代未聞のコメントを発したのだ。
「岸田文雄総理(65)は第1次内閣の時に高市氏を政調会長に据えたように、安倍元総理に直結する保守層を取り込むために今回も入閣させたかった。閣内に置くことで政権批判を食い止める狙いがあったのです。高市氏は旧統一教会との関係は薄く、むしろ霊友会や別の神道系の宗教に近いと言われている。入閣を固辞したのは、経産相などの重量級ポストが欲しかったということでしょう」(デスク)
「辛い気持ち」なのは後ろ盾となる安倍元総理を亡くしたからというだけではなさそうなのだ。
「実は、彼女にはもうひとつ危ない話がある。旧統一教会では創立者・文鮮明の死後に“跡目争い”が起こり、七男がアメリカでサンクチュアリ教会というよりラディカルな分派を作った。その団体が日本にも支部を持ち、高市氏を支援しているというのです。仮に高市氏が、この教団と関与していることが国会で追及されれば大問題となるでしょう。9月の臨時国会では名称変更時の文科相だった下村博文氏(68)が矢面に立つことになるが、閣僚となった高市氏にまで飛び火しかねない」(ジャーナリスト)
新宗教にすがり続ける高市氏が2人目の人身御供となるか。