戦争宣言こそなかったものの、従来通りの身勝手でデタラメな主張を繰り返すばかり──。
これは5月9日のロシアの対ドイツ戦勝記念式典における、プーチン大統領の演説を評したものである。
ウクライナ侵攻を「やむをえない、唯一の正しい決定だった」と市民虐殺を正当化し、
「大祖国戦争の英雄たちが戦った土地で、世界からナチスらの居場所をなくすために戦っている」
などと、誰が聞いてもおかしな弁明のオンパレードだったのだ。
式典が行われたモスクワの「赤の広場」では、会場に陣取ったロシア国民がインタビューに答え、虐殺王の荒唐無稽なスピーチを、感情を高ぶらせながら全面支持する異常ぶりを全世界に見せつけた。
こうした状況に、カルト教団に詳しいジャーナリストは、
「プーチンはついに、麻原彰晃になってしまった」
と厳しい表情で、次のように断じた。
「徹底した社会主義的情報統制で国民に真実を見せず、マインドコントロール。プーチンのやっていることはまさしく、オウム真理教の教祖と同じです。その結果、あんなスピーチに熱狂する国民を生み出してしまった。化学兵器の開発、そして罪のない人々の大量殺戮を平然と命じるところも、あの地下鉄サリン事件や松本サリン事件、弁護士一家殺害事件に共通する。そういえば、かつてオウムは、ロシアにも活動拠点を持っていました。カルトが巣食う土壌があるのかもしれません。独裁者の話を盲目的に信じ込む信者たち…プーチンとロシア国民の姿はまさに、麻原と今も残るオウム信者の関係であり、殺人カルトそのものと言っていい」
プーチンというカルトにハマッた人々のマインドコントロールは解けるのか。そうしている間にも、「狂気にまみれた教祖」によって、さらなる暴虐が行われている。