実際にこの施設を訪ねてみると、看板すら掲げられておらず、その不気味さについて、近隣の住民もこう話すのだ。
「現在、40~50人くらいの信者が暮らしているようですが、我々近隣住民との交流は一切ありません。信者は気持ちの悪いヤツらばかりで、帽子を深くかぶってマスクをし、ずっと下を向いたままバス停まで歩いていったり、浮浪者のような風体のおばあさんがウロウロしていたり。ここ数年、施設内は異常なほど静かですが、麻原が死刑になったら何が起きるのかと、住民は皆、心配しています」
東京拘置所周辺でも「異変」は起きており、
「拘置所と隣接した公園には、今もたびたび信者が集まって、拘置所に向かってお祈りをしていますよ。今年の正月にもやってましたね。拘置所の周囲をグルグルと歩いている信者も見かけます。『経行』と呼ばれる修行らしいですが‥‥」(近隣住民)
そうした、今も「麻原信仰」を根強く持つ信徒の動きに対し、法務省内からも不安の声は上がっている。同省幹部によれば、特に危ないとされているのが、執行命令を下すことになる上川大臣で、目下、執行後の上川大臣を長期にわたって警護するための、異例の極秘プランまで検討されているというのだ。
では、最大のターゲットと目されている安倍総理についてはどうか。官邸関係者が打ち明ける。
「安倍総理は総理官邸に隣接する公邸ではなく、東京・渋谷区内の私邸を住まいとしてきた。しかし、麻原死刑囚に対する死刑が執行された場合、私邸住まいのままでは警備に問題が生じてくる。総理には同居する昭恵夫人、母親の洋子さんともども、長期間にわたって公邸に移ってもらうしかない。菅官房長官についても、SPによる警護を強化するほか、相当期間、官邸で寝泊まりしてもらうことになるでしょう」
そして一方の公安調査庁関係者からは、こんな物騒な話も聞こえてくるのだ。
「情報を集めて警備を万全にするといっても、官邸や法務省などの政府職員に信者が紛れ込んでいたら、どうにもこうにも防ぎようがない。また、マスコミに信者が紛れ込んでいたら、例えば死刑執行予定が事前に漏れて、執行前に報復テロが起こることも考えられる。公安当局といえども、人の心の中まで見通すことはできないから‥‥」
そんな中、警備、公安当局は、麻原死刑囚の「Xデー」後に起こりうる「報復シナリオ」について、オウム信徒周辺などから情報を収集。その結果、5つの可能性が浮上したという。