この元教戒師が語る。
「映画のように、その日は突然、やって来るわけではない。実際には、教戒師が前もって死刑囚に面会し、『何か家族に伝えたいことはあるか』などと問いかける。死刑囚はこれで死刑執行の近いことを知るが、以後、大半の死刑囚は食事が喉を通らなくなる。執行前夜には豪華な夕食も出されるが、まったく手をつけられない死刑囚も多く、事前告知はむごいと感じたこともありました」
そうして迎えた死刑執行当日の朝、パタパタという複数の足音が近づくや、数人の刑務官によって独房の扉が開かれ、「本日これより死刑を執行する」旨、死刑囚に伝えられる。元教戒師が続けて明かす。
「死刑囚は正座の姿勢で宣告を聞いているが、大半は自力で立ち上がることすらできない。多くの場合、刑務官が両脇を抱えて刑場に連れていくことになるが、あまりの恐怖で体が硬直してしまうのか、両足を伸ばしたまま、ズルズルと引きずられていく死刑囚も多い。引きずられながら、『ウー、ウー』などと、言葉にならない声を発する者も‥‥」
絞首台のある部屋に入ると、顔なじみの教戒師が待っている。目の前には小さな祭壇。この祭壇は戸板返しになっており、死刑囚は仏像とイエス像から好きなほうを選ぶことができる。簡単な祈りのあと、最後に菓子と茶を勧められるが、
「それらを口にする者はほとんどいない。恐怖の時間をできるだけ短くすべく、刑務官らは死刑囚をすぐに絞首台へ向かわせようとするが、体をブルブルと震わせて失禁し、うめきながら教戒師にすがりつく者もいる。最後は力ずくで絞首台に連れていかれ、頭に目隠し用の袋をかぶせられるや、直ちに死刑執行のボタンが押されます」(元教戒師)
実は、東京拘置所は97年に改築工事が始められ、06年までに全ての工事が完了している。その際、かつてあった階段式の絞首台は、いきなり足元の床が開く平地式のものに変えられた。死刑執行までのプロセスを含め、若干の変更点がないわけではないが、いずれにせよ、死刑囚にとってXデー当日は想像を絶する戦慄の一日となるのだ。
「(麻原の異常行動は)詐病だと思う。(麻原は)そういうことをする人間だ」
大みそかに出頭した平田被告は、接見した弁護士にこう語ったという。
「松本死刑囚には、詐病の末に狼狽した死刑執行日を迎えるのではなく、それまでにオウム事件の真相をぜひ語ってほしい」(前出・法務省大幹部)
残る期限は、あと5カ月余り──。
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