「入団会見の時に、かなり大きな目標を仰ってますよね、カメラの前で言っていただいていいですか」
「今!? …400勝、目指します」
1979年のドラフト会議で大洋ホエールズから1位指名を受け、高校生ながら入団会見時に「400勝する」と大胆発言。これは一体誰なのか、お分かりだろうか。
元巨人・上原浩治氏のYouTubeチャンネル〈上原浩治の雑談魂〉に出演(5月20日)し、アシスタントのフリーアナ・上田まりえから質問された際に回想したひと幕だ。
その発言の主は、87年にセ・リーグの審判部に入局し、昨年まで審判を務めていた杉永政信氏である。
日本プロ野球界のレジェンド、金田正一がプロ野球記録となる400勝を達成した69年の印象が強く残っていた、と言う杉永氏は、
「言っちゃった…ってことです」
と入団会見を振り返る。
投手としての成績はというと、85年に3試合に登板するも、勝敗つかず。これには、
「1勝も挙げなかった男なんで…。(400勝のくだりを)何回も話題にされてる」
上原氏が「後悔してます?」と問えば、「してる、してる!」と即答したのだった。
身長187センチと大柄、どちらかといえばコワモテの杉永氏だが、ときには愛嬌たっぷりの茶目っ気も見受けられた。
先立って、ロッテ・佐々木朗希との判定を巡るやり取りで物議を醸した白井一行審判も、ざっくばらんに話を向ければ、案外こんな素性なのでは…そう思えたものだ。
(所ひで/ユーチューブライター)