35年の長きにわたり、セ・リーグの審判員を務めた杉永政信氏(昨年、引退)が、最も印象深い試合として挙げたのは2013年、楽天が4勝3敗で巨人を制した日本シリーズの第7戦だった。
この試合、球審を務めた杉永氏が、元巨人・上原浩治氏のYouTubeチャンネル〈上原浩治の雑談魂〉で回顧した話がふるっている(5月30日)。
この試合、楽天の田中将大が9回、リリーフのマウンドに上がった。ここで星野監督と杉永球審がどんなやり取りをしていたのか。一部テレビ番組では読唇術の結果、
「杉ちゃん、誰だと思う?」
「楽天の後ろ、いっぱいいますからね」
との解釈が。
これについて、杉永氏が真相を明かした。
7回、則本昴大に投手交代する際に「杉ちゃん、頼むで」「私にそんな力ないんだから、楽天さんの実力でどーぞ」とのやり取りがあり、
「で、9回の田中君の時にまた『杉ちゃん、頼むで』って言うから『だから監督、私に…』。するとその言葉を遮るように『田中!』って言って、ベンチに帰って行った」
監督と審判の間には、ファンが知らない意外なやりとりがあったのである。
(所ひで/ユーチューブライター)