新型コロナにサル痘、謎の肝炎、鳥インフル…もう感染症はウンザリだ、という我々の憂鬱をあざ笑うかのように、ネット検索では「デング熱」がバズッている。きっかけは「シンガポールでデング熱が大流行する緊急事態」と報じたCNNのニュースだ。
デング熱は感染後2日以内に高熱と筋肉痛、関節痛、倦怠感を引き起こす。特効薬もワクチンもないから、新型コロナ以上に厄介だ。
日本時間6月7日13時過ぎ、CNNがデング熱ニュースを報じると、投資家が動いた。フマキラーやアース製薬といった殺虫剤、虫除けスプレーのメーカーの株価が軒並み急騰したのだ。この市場の動きこそが、デング熱を防ぐポイントで、
「デング熱は蚊が媒介する伝染病です。患者の血液を吸った蚊が他の患者を刺すことで、感染します。梅雨時は植木鉢など、ボウフラがわく水溜まりを作らない。虫除けと、部屋に散布するタイプの防虫スプレーや蚊取り線香で、蚊を寄せ付けないことが一番です。今年は節電が呼びかけられていますから、冷感素材のアームカバーや長袖シャツを活用するのもいいでしょう」(感染症専門医)
コロナとデング熱の決定的な違いは「発疹と出血」だという。発熱とともに充血したり、赤い発疹が出たら、事前に受診可能か確認した上で、できるだけ早く病院へ。
アフリカや東南アジアに出張に行く機会が多い通訳の男性が、その苦痛を明かした。
「コロナのデルタ株にもデング熱にも感染したことがありますが、デング熱の辛さはコロナの比じゃない。虫除けスプレーやクリーム、ジェルを顔や首にたっぷり塗って帽子を被ることをお勧めします」