「選手の性格をすごく把握するのが上手い。一般的に言うと、適材適所みたいな。(中略)チームワークという感覚よりも、選手個々の力を全部知っているがゆえに、ここにこの選手をはめたらいけるなというのがいちばん上手だった監督さんのような気がします」
野球解説者の江川卓氏(元巨人)が、自身のYouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉でこう評したのは、中日の落合博満元監督だ(6月10日)。
落合氏はリーグ優勝4度、日本一にも一度導くという功績を残し、監督を務めた8年間、全てAクラス入りさせる安定感に富んだ指揮官だった。江川氏はさらに、
「他の監督が『囲碁派』であれば、(落合監督は)『将棋派』。他の監督は『囲碁』の方が多いですから」
「将棋」は相手の王将を取れば勝ち、「囲碁」は取った陣地の目数が多い方が勝ち。「将棋」は駒の動かし方に一定のルールがあることから直感的な思考力の訓練になり、どこに石を置いてもいい「囲碁」は、視野拡大の能力が鍛えられるとされる。
昨年、史上最年少で五冠を勝ち取った藤井聡太の活躍で、活況を呈する将棋界。稀代の天才棋士にも似た類稀なる個性が、「オレ流」と称されるゆえんなのだろう。
(所ひで/ユーチューブライター)