交流戦で息を吹き返した虎に、モノ言う株主は容赦しなかった。阪神タイガースの親会社、阪急阪神ホールディングスの定期株主総会が6月15日午前、大阪市内で開かれた。出席した一部の株主は、矢野燿大監督への不満を爆発させた。
様々な質疑応答が行われる中で虎党の株主が挙手、マイクを通して、
「あんな自分勝手なヤツはおらへん!」
と矢野監督を痛烈に批判。最後には「次の監督が誰なのか気になる」と話した。
今年から株主への回答者が変わり、今年3月末まで球団副社長を務め現在は阪神電鉄の取締役スポーツ・エンタテインメント事業本部長兼球団オーナー代行の谷本修氏が担当。
まずは一部報道で、矢野監督の昨シーズン限りでの退任を球団フロントが引き留めたとされたが、谷本氏はこれを否定。その上で、他球団からの移籍選手以外は、
「優勝の経験がない。金本前監督、矢野監督と続いてようやく芽が出る認識」
と話した。
また、別の株主からは巨人、ソフトバンクのような3軍制を推進するようにと提案されたが、「検討課題」と消極的な回答に終始した。
「思ったより紛糾しなかったようだが、結局、虎党株主が主張することに今年も振り回されている感は否めない」
こう言ってアキレるのは、球団関係者である。
「谷本氏も当事者として、今季限りで矢野監督が退任するまでの流れを知っている以上、経緯については公表したくないのが本音。次の監督についても、あえて言及しないのはいつものパターンです」
かくして今年も「玉虫色」で決着したのである。