例年紛糾することが多い阪神タイガースの親会社「阪急阪神ホールディングス」の定時株主総会が6月15日に大阪市内で開かれたが、同じ関西に本拠地を置くプロスポーツチームが思わぬトバッチリを受けた。
株主総会では都市交通事業や再開発関連、新型コロナウイルスによる特別損失などについての質問が出たというが、例年通り、熱烈な阪神ファンも参加。愛する自チームについて責任者に問い質した場面で「事件」は起きた。阪神担当記者が明かす。
「株主の1人が、矢野燿大監督が今年のキャンプイン前日に突然、今季限りでの退任を発表したことに『あんな自分勝手なヤツはおらへん!』と激怒した。さらにキャンプ中に、矢野監督が大好きな予祝の一環で、糸井嘉男、西勇輝の発案で胴上げしたことにも『社会的常識のない監督』と憤慨していました」
これに答えたのが、谷本修球団オーナー代行。
「オリックスさんから移籍してきました糸井、西の2人が1日キャプテンという中で提案した」
と経緯を説明したのだ。
オリックス出身の球界OBが憤る。
「2人ともオリックスでのプレー歴はあるけど、わざわざ球団名を出さなくてもいいだろう。生え抜き、外様の感覚が、谷本オーナー代行の頭の中には存在しているとも言える。オリックスが予祝を推奨したわけでもないのに、まるで嫌がらせですよ」
谷本氏は今年春まで阪神球団副社長を務め、球界の事情は把握している人物。だが、思わぬ「失言」が、火に油を注ぐことになったのである。