阪神は6月20日、新外国人アデルリン・ロドリゲス内野手の獲得を発表したが、他球団の関係者からは「若虎がかわいそうだね」と、同情の声が早くも上がり始めている。
20年にはオリックスで活動したロドリゲス。パ・リーグ球団のさるスコアラーは、
「大きい当たりは打てるが、穴も大きく、変化球に弱い。内外野守れるフレコミだったけど、拙守のため一塁か指名打者しか選択肢はなかった」
指名打者制がないセ・リーグではどこかで守らなければならず、
「だからといって代打ばかりでは、本人のモチベーションが下がる。慌てて獲得して失敗するパターンに近い」(前出・スコアラー)
ロドリゲスを1軍出場させるには登録枠がひとつ減り、他の選手の出場を奪うことにもなる。在阪マスコミ関係者が嘆く。
「阪神は昨年、今年と、1軍野手はほぼ固定されていて、いくら2軍で頑張ろうと、控えでも昇格が難しくなっている。2軍で鍛錬する若手にとってはキツい状況で、1軍出場経験がそこそこある選手の中には『ヨソへトレードに出してくれ』と思っている者もいるでしょう。しかし、他球団が阪神の戦力で欲しがるのは、鉄壁の投手陣ばかり。『野手はドングリの背比べ』の印象が強く、俎上にも載ってこない」
アピールの場さえも奪われる若虎。プロの世界の厳しさと言えばそれまでだが、ロドリゲスの加入でチーム内の雰囲気がさらに悪化するのは、火を見るより明らかだろう。