阪神のチェン・ウェイン投手について球団は6月21日、ウエーバー公示の手続きを取ると発表した。事実上の戦力外通告に、球団関係者は、
「編成の失態が明るみに出た」
と苦笑いだ。
日米通算96勝の左腕は台湾出身で、03年オフに中日入団。13年には10勝をマークするなど、落合博満監督の下で勝利に大きく貢献した。
その後、メジャーリーグに挑戦し、オリオールズ、マーリンズなどでプレー。20年9月にロッテと契約し、日本球界へ復帰した。同年12月には自由契約となったことから、阪神が推定年俸2億1000万円の2年契約を結ぶも、今季は1軍登板なし。阪神では1軍通算2試合の登板で、わずか1勝に終わった。
嶌村聡球団本部長は、
「1軍でローテーションに入るのはなかなか難しいので、判断(戦力外)した」
と説明したが、つい先日、オリックスなどでプレーした「第8の助っ人」アデルリン・ロドリゲス内野手の獲得を発表したばかりだった。前出の球団関係者が言う。
「6月中旬の株主総会対策で、球団が戦力補強のポーズとしてロドリゲスを獲得しただけ。その証拠に、支配下登録枠は70人でいっぱいとなり、緊急トレードなどができない状況でした。高額年俸なのに働いておらず不良債権化したチェンを放出して、責任追及を逃れようとしたのです。これといった編成計画がないことを、わざわざ露呈させた格好になる」
最近まで左肩のリハビリをしていたチェンに大金だけ渡してお払い箱では、虎党も黙っていないだろう。