大阪府バレーボール協会の会計担当の理事がおよそ2600万円を着服していたことが、6月28日に明るみに出た。協会側は刑事告訴を検討している。
一昨年、上部団体である日本バレーボール協会に対して会計報告を行った際に、帳簿と預金の残高に差が生じていることが分かったという。
その後、公認会計士を入れて改めて調査したところ、理事が私的流用していたことが発覚。14年から20年にかけて、50回以上も資金が引き出されていた。現在は全額弁済されているというが、謝罪会見に出席した日本協会の川合俊一会長は、
「重く受け止めている。組織を変えていかないと、前に進めない」
そう言うと、会見を開かないよう、関係者から事前に申し入れがあったことも明かしたのだった。この裏事情を、アマスポーツを統括する日本スポーツ協会(JSPO)幹部が解説する。
「川合さんがバレーボール協会のトップに就いたのは、今年3月でした。ビーチバレーの国際大会での出場キャンセル手続きを巡って偽の診断書を提出して隠蔽したとして、嶋岡健治前会長らがクビになるなど、スキャンダルに揺れています。今回は川合さんだから、周囲の反対を押し切って会見を開いたわけですが、まだ隠蔽体質が残っていることが明らかになった。今度は改革派の川合会長の足を引っ張ろうとする輩が、どんな『爆弾』を投げてくるか分からない。川合さんは身辺に気を付けた方がいい」
前途多難とはまさにこのことだろう。