7月10日の参院選が終盤戦を迎える中、元スポーツ選手、元タレント候補らの動向はどうか。
注目されるのは、比例でのNHK党、参政党、れいわ新選組、社民党の微妙な関係だ。比例は特定枠候補以外は個人名の得票が多い順に当選するため、知名度が高い候補が有力となる。
今回、参政党が支持を伸ばしており、「れいわ新選組と諸派の参政党は複数議席を獲得する可能性がある」と、7月4日付の読売新聞で報じられた。れいわは1議席が特定枠なので、2議席目で水道橋博士(芸人、タレント)の当選が濃厚になる中、
「左翼的な票がれいわにいくと、社民党は苦しい。ネット世代の票が参政党に集中すれば、NHK党がどこまで支持を広げられるかが問題になる」
と、全国紙選挙担当記者は分析する。
大手紙は「社民党は改選1議席を死守できるかどうかの戦い。NHK党は議席獲得を視野に入れる」(7月4日付、読売新聞)、あるいは「社民党やNHK党は当選の可能性を残す」(7月4日付、日経新聞)という書きっぷり。比例の1議席をめぐり、社民党とNHK党が争う展開としている。
NHK党が比例で議席を獲得すれば、ガーシー氏(ユーチューバー)が有力だ。ガーシー氏は〈東谷義和のガーシーch【芸能界の裏側】〉なるYouTubeチャンネルで話題となり、最近では楽天・三木谷浩史会長の「醜聞」を取り上げている。
社民党は比例1議席なら、福島瑞穂党首が当選。開票速報では、ガーシー氏か福島氏かという状況になるかもしれない。
自民党は比例でも順調に票を固めており、元SPEEDの今井絵理子氏、「ラビひな」で知られる漫画家の赤松健氏は当選が有力だ。
神奈川で三原じゅん子氏は当選確実だが、東京では生稲晃子氏の支持が伸びないようで、れいわの山本太郎代表や、日本維新の会の海老沢由紀氏が票を伸ばすと、
「万が一もある、と陣営は気を引き締めている」(自民党関係者)
維新は「2019年に獲得した5議席から躍進し、2倍近くもうかがう」(7月4日、読売新聞)、「改選3議席から倍以上への伸びを射程圏におさめ」(7月4日、日経新聞)との勢いで、6議席獲得すれば、石井苗子氏(元ニュースキャスター)、青島健太氏(スポーツ解説者)、猪瀬直樹氏(元東京都知事)、中条きよし氏(歌手)、松野明美氏(元五輪選手)の5人全員が当選する可能性も出てくる。
(健田ミナミ)