何となく違和感を覚えた人も多かったのではないか。去る3月31日に32年間続いた「笑っていいとも!」(フジテレビ系)が最終回を迎え、その日の夜に放送された同番組の特番。事前に報道されていた通り、特別ゲストとしてタモリの「憧れの人」の吉永小百合(69)が出演したのだが、スタジオに来たのではなく「南房総」、すなわち千葉からの中継だったのである。
「私は今、『世にも不思議な物語』ではなく、『ふしぎな岬の物語』のロケでここに来ています…」
こんなふうにタモリが出演していた番組とかけて、撮影中の自分が主演する映画の宣伝もしっかり織り込んでタモリに話しかけた吉永。約30年前に「今夜は最高!」(日本テレビ系)で共演して以来のテレビ共演は、スポーツ紙などの事前報道では、吉永がどのような形で出演するかは明かされていなかった。が、「国民的番組の最終回を記念する特番だけに、当然、スタジオに現れるのだろうと思っていた人も多かったはずだ。芸能デスクが言う。
「それが、中継ですからね。吉永は『そちらに行きたかったのですが、どうしても映画のロケで時間がとれず……』なんて言い訳をしていましたけど、今年の秋に公開予定の映画ですよ。昨年秋に『いいとも!』が終了することが発表されてほどなく最終回に向け吉永への出演交渉が進められていたはずですから、その気なら、吉永はスタジオに駆けつける時間の調整ぐらいはできたはず。しかもロケは海外や国内の遠方ではなく、千葉県ですからね」
吉永は、前出の「今夜は最高!」出演時にタモリの最初の印象を「あまり好きじゃなかった」と漏らしていたが、
「その気持ちは30年もの間共演を拒み続けたことも考えると、変わってないとしか思えない。最終回特番という大舞台で、吉永は本心を中継出演という形で伝えたかったんじゃないですか」(前出・デスク)
タモリ自身が、吉永がどのような形で出演するのか知らされていたのかは定かでない。が、言われてみれば、中継出演した吉永へのタモリの態度には、熱烈なサユリストとしての緊張とは別に、「ここには来てくれないのか…」という落胆・狼狽も見て取れる。憧れの人との夢の共演は、32年間の「お疲れ」に加え、最後の最後で、どんよりした疲労感をタモリに与えたのかも知れない。