テリー 疑惑を一身に受けていた頃はつらかっただろうね。
長谷川 つらかったです。
テリー お子さんもいらっしゃるんでしょう。
長谷川 3人います。
テリー 「頑張ってるな」とは思ったけど。
長谷川 一部ネットではフジテレビを大嫌いな人たちがいるので、その人たちに利用される形になってしまったりもしました。「長谷川がフジテレビに宣戦布告してるぞ」みたいな。そんなことは、実はひと言も書いてないんですが。
テリー でも、そう取られちゃうよね。反旗をひるがえしたように見える。
長谷川 僕は政治家に対してもいちばん厳しくマイクを突きつけて「説明責任はないんですか」と言ってきた人間なので、自分のことだけダンマリというのは卑怯な気がしたんです。それで、どうせこの問題についてやるなら戦略的にやろうと。「ホントごめんね」と思いながら、加藤綾子の名前をわざとブログに出して、無理やり話題になるようにして。
テリー それは結果としてどうだったんですか。
長谷川 1カ月で2400万ページビューでした。後半は毎日300万人以上の人にブログを読んでいただけたことは光栄でした。
テリー 読者がついて、疑われていることについて自分の立場を検証するブログが認められていったということだ。ちなみに、フジテレビを辞めた時には、退職金は出たんですか。
長谷川 出ました。信じられないぐらい安い金額が。
テリー マンションもまだローンがあるでしょう。または一軒家か。
長谷川 一軒家です。35年ローン。
テリー お子さんが3人いて、5人家族。
長谷川 犬もいてね。
テリー じゃあ、不安だったね。
長谷川 すごく不安でした。僕にやれることって、被災地に行って働くことぐらいだと思っていました。それだと日当がフリーランスなら2万5000円出ますから。それで何とか食いつなげるとは思っていたんです。ただ、震災の復興が終わったあとにどうするかは悩んでいたんですけど。
テリー 奥さんはどのように接していたんですか。
長谷川 経緯は全部知っているので、社内で処分を受けたあともずっとガマンしてくれていました。子供たちにもずっと笑顔で接してくれて。
テリー それはすごいね。
長谷川 ブログにすごい量の応援メッセージが来るようになって、嫁さんはそれを見て、倒れちゃったんです。病院に行ったら、ホッとして倒れたということで。それまであまりにも1人で頑張りすぎていたので、やっと大勢の方に支持してもらえていることがわかって、糸が切れちゃったんですね。
テリー 今はどういう状況なんですか。
長谷川 ブログが終わったら、次は本を出版することになって、それから立て続けに全国各地で講演会が入ってきて、メールマガジンも始めませんか、また何か別のブログもやってみませんかとお声がけいただいて、気がついたら、現在に至っている感じです。「あれ?」っていう。
テリー 「あれ?」っていうのは、フジテレビの時より収入がよくなってきたっていうこと?
長谷川 正直、この間の確定申告を終えた時点では、ちょっとびっくりするような収入になっていて。
テリー ガッツあるねえ。
長谷川 ハハハハ、いえいえ。振り返ると、僕はバカだなと思うんですよ。何やってるんだろうって。