「U-turn」としてコンビを組んだ20代前半でブレイクして以降、長くテレビに出続け、今年で芸歴30周年を迎えた、お笑いタレントの土田晃之。その土田が8月10日放送の「あちこちオードリー」(テレビ東京系)に出演し、今だから話せる芸人人生最大の「挫折」について明かした。
今の若者にはかつてコンビを組んでいたことを知らない人も多いそうで、「お笑いだと思われていない。コメンテーターとか家電に詳しい人と思われている」と自嘲気味に話した土田だが、そんな彼が最初に挫折を感じたのが「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)。コンビ時代に一度、同番組に呼ばれたものの、2時間ぐらいの収録で一言しかしゃべれなかったとか。
「さんまさんに『お前ら、東京やな』って言われて、『いえ、埼玉です』の一言だけで終わった。腕ブルンブルン回しながら行ったら『速えぇ、何も見えねぇ』と思って」と回想。そこから5年は同番組に呼ばれなかったが、5年ぶりに出演したのちは3~4カ月に1回程度で呼ばれるようになったという。
「『さんま御殿』でスタジオでやれてたら、よその番組めちゃくちゃ楽だなと。プレミアリーグで試合やったあとに草サッカーで試合やってもこんなもんだと思った」と振り返った土田は、さらに若い頃に衝撃的だった番組として、笑福亭鶴瓶と今田耕司、東野幸治がレギュラー出演していた「いろもん」(日本テレビ系=1997年10月~2002年放送)を挙げ、こう語った。
「あの頃の今田さん、東野さんはえげつなかった。何にも喋らせてもらえないぐらい速くて。喋れない方ばかりイジる。(当時の相方)対馬くん、喋れないから。入れない感じ。そのときは『あしたのジョー』の最終回ぐらい、どうやって帰ったかも分からず、気がついたら家で本当にこうやって(燃え尽きて)座ってた。もうダメだな、この世界ではやれないと思った」
芸能ライターが言うには、
「番組では後日、土田がその話を東野にしたら、『お前らそんな感じなかったけどな』と言われたとか。そこで家で録画した映像を見ると確かに思っていたほどひどくはなく、加えて『これを速いと感じてたんだ』『この5年間で俺、成長できてる』と自信を持ったとも明かしていました」
常に落ち着いている印象の土田だが、いろいろ苦労があったようだ。
(鈴木十朗)