旧ソ連最後の最高指導者、ミハイル・ゴルバチョフ氏が8月30日に死去した。91歳だった。
ゴルバチョフ氏は1989年にベルリンの壁を崩壊に導き、その後の東西ドイツ統合を実現した最大の立役者として知られている。また、米国と共に冷戦の終結を宣言するなど国際社会の緊張緩和に貢献したことで、90年にノーベル平和賞を受賞した。
西側諸国では特に評価の高いゴルバチョフ氏だが、実は今、日本で連日話題になっている旧統一教会と関係していたことは、知る人ぞ知る真実だろう。
「安倍晋三元首相が襲撃されたことで、にわかに浮上した政治家と統一教会の関係ですが、何もこれは日本に限ったことではありません。1990年には教会創始者の文鮮明氏が、当時すでに大統領の立場にあったゴルバチョフ氏と面会。クレムリンの敷地内にあるウスペンスキー大聖堂で統一教会の儀式を行なっているのです。文氏はゴルバチョフ氏に取り入り、最終的には統一教会をソ連の国教にしようと考えていたようです。日本では一部の政治家との深いかかわりが問題視されていますが、あのゴルバチョフ氏でさえ面会を許してしまっているわけですから、いかに教団が巧妙な布教活動を試みていたかが分かるでしょう」(政治ジャーナリスト)
幸いにも、90年代のソ連は政治的にもかなり混沌を極めており、統一協会が政治に関与することはなかったが、一歩間違えばウクライナ侵攻以上の世界的な危機が勃発していたかもしれない…。
(ケン高田)