「岡本がフルカウントだと勘違いしたのではないか」「岡本がアウトでも、次の回、吉川からの攻撃に期待したのか」「原監督のナゾ采配」──。
そんなファンの指摘が一気に噴出したのは、東京ドームで行われた9月6日の巨人対DeNA。問題の場面を振り返ってみよう。
1対1で迎えた6回裏、一死ランナーなし。打席に入った5番・岡本和真の打球は、三塁ベースに直撃した。レフト前まで転がったボールを遊撃手が処理し、記録は内野安打となる。一塁ベース上でニンマリと笑う岡本。続く若林晃弘は三振に倒れ、ツーアウトに。
そして次にバッターボックスに立ったのは、前の打席で本塁打を放っている吉川尚輝。カウント2-2から、なんと岡本が猛然とスタートを切り、昨年5月22日の中日戦以来となる、今季初盗塁を決めたのだ。
岡本のスタートは明らかに遅かったものの、捕手・嶺井博希にとっては「予想外」の事態。送球は二塁ベース手前でバウンドし、さらに遊撃手のカバーは遅れ、つかみ損ねたボールがセンター方向に転がるというラッキーに恵まれた。
ここで原監督が目を細めた顔のアップが、テレビ中継で映し出される。「采配通りのドヤ顔」か「盗塁が決まったからよしとしよう」なのか…。
そこで展開されたのが、冒頭の侃々諤々のやりとりだったのである。
岡本はまんまとスコアリングポジションに進んだが、吉川はセンターフライに倒れ、巨人は無得点に終わる。試合は延長11回の末に、ストッパーの大勢が打たれて、1対2で敗戦。
勝敗以上に岡本の盗塁が大きな話題になるのは、最下位転落も冗談では済まなくなってきた、Bクラス巨人の体たらくゆえか。
(所ひで/ユーチューブライター)