今年もプロ野球が開幕を迎えた!これから半年以上もの長きにわたり、セ・パ12球団が頂点を目指して連日、激しく火花を散らすのだ。まさに今だからこそ、最終ペナント予想をしてみたい。はたして、順当に2強がリーグ制覇を成し遂げてしまうのだろうか──。
今季のセ・リーグは、何といっても巨人のリーグ4連覇に注目が集まる。
プロ野球解説者3氏もそろって「巨人優勝」との予想である。
野村弘樹氏が語る。
「ベテラン、若手を含めて、個々の総合力がライバルチームを上回っています。昨シーズンは投打ともに苦労して、状態はよくなかったものの、終わってみれば優勝。象徴的だったのは5月、オリックス・金子千尋(31)に9回までノーヒットノーランと抑えられていたのに延長戦に持ち込んで制した試合です。常勝チームゆえの勝ちグセがありますよね。現状では今季前半は苦戦しそうですが、08年にも13ゲーム差をはね返したチーム。戦力が整いさえすれば逆転する力が十分にあるでしょう」
確かに球団内にも長いシーズンを考慮して、序盤の劣勢を想定しているフシさえあるという。
「首脳陣の中から『スタートダッシュじゃない。最後にピークを持っていけばいいんだ』との声が出ています。昨年にCSでまさかの4連敗を喫し、身をもって最後にピークを迎える大切さを学んだことが大きかったようです」(球界関係者)
「開幕当初は新人を試す期間」との意見まで出ているという。一方で、契約最終年となる原辰徳監督(56)が来季以降の“置き土産”でチームを変えようとしているとも──。
「なんと阿部慎之助(36)、村田修一(34)、内海哲也(32)、杉内俊哉(34)らのベテラン主力を第一線から外して、結果は二の次でチーム改革に取り組もうとしているというんです。監督の思いをくみ取り『シーズンは3位ぐらいで、CSで勝てばいいという考えでは』と理解する球団関係者もいます」(球界関係者)
とはいえ、開幕を前に巨人は故障者や調整不足の選手が続出しすぎだ。投手のローテがなかなか固まらなかったばかりか、自慢の打線もベストメンバーには程遠い。江本孟紀氏が言う。
「順位予想はあくまで各球団の戦力を比較してのものです。“億の金額”を稼いでいる選手が普通に働けば大丈夫ですが、こんな状態のままいけば、巨人といえどもBクラスでしょう」
天下の巨人が、CSで逆転どころか、CSに進出できないことすら考えられるというのだ。
「確かに、昨年故障した肘の状態に不安があるエース・菅野智之(25)がもし崩れてしまったら、それこそBクラスの可能性もありますね」(野村氏)
そんな巨人が異常警戒しているチームがあった。昨季にセで唯一負け越したDeNAである。
巨人番記者が話す。
「原監督も口では『広島』と言っていますが、中畑清監督(61)のなみなみならぬ巨人戦に対する執念、そして高橋尚成(39)、林昌範(31)、岡島秀樹(39)、東野峻(28)、ロペス(31)と5人に膨れ上がった元G戦士の存在を嫌がっています。特にロペスは阿部とポジションがかぶるために残せなかったことを原監督は悔やみ、球団内からは『パ・リーグに行ってほしい』との声も出ていた。ところが、横浜スタジアムとの相性がよかったロペスは、DeNAからのオファーにすぐ飛びついたんです。そして『DeNAの一員として情報提供できることは全てする』と公言していました。外野が飽和状態の巨人がFAで金城龍彦(38)を獲ったのも、敵に対抗するようにDeNA情報を引き出すだけのためだった、とまで言われるほどの警戒ぶりです」
12球団で唯一CSに進出したことのないDeNAだが、今季はオープン戦から好調をアピール。グリエル(30)の早期合流も決定的となった。DeNAを3位と予想した野村氏が語る。
「先発陣の柱として、久保康友(34)、山口俊(27)、井納翔一(28)、モスコーソ(31)が安定していて、4人で40勝プラスアルファが十分に期待できる。そして、4番に外国人ではなく筒香嘉智(23)を据え、キャプテンの肩書を与えたことが、チームの士気を高めていると思います。筒香が4番の責任を果たし、ホームラン30本、100打点を達成すれば、さらなる上位も狙えるでしょう」