今季のセ・リーグ、クライマックスシリーズ戦線の行方が論議を呼んでいる。既にCS進出を決めているヤクルトは別として、問題なのは、熾烈な3位争いだ。
首位ヤクルトから10ゲーム以上も離され、勝率5割すら切る阪神、巨人、広島の、低レベルな三つ巴。こんな成績で日本シリーズ進出を争うというのだから、ルールとはいえ、3球団のCS出場そのものに「恥ずかしいので辞退したらどうか」という声があるのも、また事実。
CSが始まった07年以降、最も出場回数が多いのは、13回の巨人。そのうち、67勝71敗5分の18年と、61勝62敗20分の21年は、負け越しながらも3位に食い込み、CSに臨んだ。いずれもファーストステージは勝ち上がったが、日本シリーズ出場は逃している。
10年、ロッテが3位から日本シリーズに勝ち上がり、中日相手に4勝2敗で日本一に上り詰めた一件は「史上最大の下剋上」と言われた。それでもレギュラーシーズンは75勝67敗2分と、勝ち越していたのだ。
2年連続のV逸という屈辱に甘んじている巨人は、なんとしてでも3位に残りたいところ。仮に3度目の正直とばかりに、負け越しでCSに進出し、ロッテのごとく日本一まで果たしたならば…。
他球団にとっては屈辱にまみれた、そして巨人にとっては「史上最大の恥ずかしい下剋上」を果たすことになるのだが、そんな可能性がゼロではないのも、CSというシステムなのである。
(所ひで/ユーチューブライター)