最後まで復帰への意欲をみせていたが、ついに帰らぬ人となってしまった六代目三遊亭円楽さん(享年72)。肺がんや脳腫瘍と闘い、この1月には脳梗塞を発症。治療・リハビリのため、レギュラー出演していた演芸バラエティー番組「笑点」(日本テレビ)をはじめ、活動を休んでいた。高座へは8月に復帰をしたものの、間もなく肺炎を起こして入院。肺炎は軽快したが、肺がん治療を再開したところ、その矢先の9月30日に亡くなってしまったという。
「笑点」メンバーの三遊亭好楽は円楽の自宅へ弔問に訪れ、弟子の伊集院光や立川志らく、「笑点」メンバーの林家たい平らは追悼コメントを発表。人気・実力ともに高かった円楽さんだけに、落語ファンも大きなショックを受けている。演芸関係者は、
「高座へ足を運ぶほどではなくても、『笑点』を毎週、楽しんで見ているファンは多い。円楽さんが亡くなったことで、『笑点』の打ち切りを心配する声が出ています。円楽さんの代役を桂文珍や春風亭小朝、立川志らくらが務めてきましたが、このところ視聴率は芳しくなく、円楽さんが抜けてしまった穴は大きい、と制作陣は実感していますから…」
もはや「笑点」ぐらいしかテレビを見る楽しみがない、という高齢者もいる。「笑点」打ち切りは酷だ。落語家にとっても、「笑点」出演には大きなメリットがある。特に円楽さんに代わって「笑点」に出演した若手にとっては知名度アップになり、いい経験にもなっただろう。演芸ライターが先の展望を語る。
「視聴者の年齢層を考えると、もともと知名度の高い、見慣れた落語家の方が視聴率アップにつながりやすいでしょう。でも、それではいつまでたっても、新しい人が世に出ていきにくい。桂宮治がレギュラーになったことで広く人気を獲得し、『笑点』の雰囲気を明るくしたように、新しい風を吹かせてくれる人に期待したいですね。長い目で見れば、その方がいい。先日、代役を務めた春風亭一之輔なんて、面白いし顔もいいし、宮治より1歳若いし、いいんじゃないかと思いますね」
新メンバーによる「笑点」でこれまで以上に面白くすることこそが、円楽さんの供養にもなるはずだ。