「笑点」(日本テレビ系)には、番組前半部分に漫才などの演芸コーナーがあるが、そこに初出演した時のことを、お笑いコンビ・ナイツの塙宣之が明かした。塙のYouTubeチャンネル〈ナイツ塙の自由時間〉でのことだった。
「三遊亭圓楽師匠、ありがとうございました」と題したこの回は、六代目・三遊亭円楽さんが9月30日に肺がんで亡くなった1週間後の10月7日に公開された。
「円楽師匠にはお世話になった」と語る塙は、「笑点」初出場の際、実は円楽さんから叱責されたのだという。
寄席では、先に出番のある若手が「お先に勉強させていただきます」と、楽屋に控える先輩芸人に挨拶してから舞台に上がる風習があるという。これをナイツの2人が「笑点」の収録でも行ったところ、円楽さんから、こんなお叱りを受けたのだとか。
「ちょっと待ちなさい。ここは修行の場所じゃないんだから。寄席だったらわかるけど、『笑点』というのは全国で何百万という人がテレビで見てる場所だから、そこで勉強してもらっちゃ困るんだよ。笑わせてやるって気持ちでやってくれないとダメだ!」
円楽さんのこの教えにより、塙は「寄席」と「テレビ」では、臨む姿勢がまるで違うのだということを学んだという。
「長寿番組の『笑点』において、77年8月から22年1月まで、大喜利メンバーとしては林家木久扇に次ぐ古参としてレギュラーを務めたのが円楽さんです。番組には並々ならぬ思い入れもあったのでしょう」(テレビ関係者)
そんな円楽さんには「まだまだ教えてもらいたかった」と悔しがる塙。
「生きているうちは行けないんですよ。大物すぎて懐に入っていけない。でもバカなふりしてでも、飲みに行きましょうよ、とか言って教えてもらうんだった」
そんな塙に限らず、円楽さんの死を惜しむ声は、今も止むことはないのである。
(所ひで/ユーチューブライター)