10月17日から始まった連続ドラマ「警視庁考察一課」(テレビ東京系)。主演は船越英一郎だ。被害者や被疑者の顔写真が貼られ、相関図が描かれたホワイトボードの前で、考察一課の「考察官」たちがあれやこれやと事件を考察する内容だ。「推理」や「推察」ではなく「考察」という言葉を使っている。
第一話のタイトルは「パパ活女子殺人」で、パパ活絡みで殺されたとおぼしき被害者の生首、手首、足首がそれぞれ別の3人に送りつけられるという猟奇的な事件だった。
ドラマ開始から10分ほどが過ぎた頃、西村雅彦が「まだ次があるかもしれない」と持論を展開する。「次は何だ。生首、手首、足首…」。そこでいきなり名取裕子が「よろちくびー!!」と続けた。しかも、まるで自らの「蕾」をつまんで引っ張るかのように、胸前から両手を動かす「芸」まで。大女優の振り切った演技に笑った人も、唖然とした人もいたのである。
「あんな下ネタを見せるなんて、意外すぎて思わずのけぞりました。久本雅美の持ちネタをジェスチャーつきでやった名取さんもスゴいし、やらせた演出家もスゴい」(週刊誌記者)
それにしても、この番組の出演者は超がつくほど豪華で、かつ、役名もしゃれている。船越が演じるのは考察一課長の「船越慶一郎」、西村まさ彦は「西村まさ雄」、名取裕子は「名取悠」。ほかにも山村紅葉が「山村楓」、高島礼子は「高島誠子」、内藤剛志も「内藤昌志」、そして柳沢慎吾は捜査一課長の「柳沢慎三」といった具合だ。日本を代表するサスペンスドラマ、刑事ドラマの重鎮たちが一堂に会するだけでも、このドラマのプロデューサーたちの力量が窺い知れる。
番組最後のエンドロールを見て、その秘密がわかった。「企画・原作 秋元康」。屈指の仕掛け人の名前で、腑に落ちた人も多かっただろう。先の週刊誌記者がポツリとひと言。
「三谷幸喜の『鎌倉殿の13人』を超えるキャスティングではないか」
1年近くかけて放送する大河ドラマとは単純に比較できないが、確かに誰もが主役を張れる「役者ぞろい」の「考察一課」。船越が使う脚立には「gake」(崖)と書いてあったり、随所に遊び心が散りばめられている。この秋、オススメの連ドラだ。