〈税務署からの【未払い料金のお知らせ】〉
こんなタイトルのメールが届いた。書き出しには〈e-Taxをご利用いただきありがとうございます〉とある。が、e-Taxシステムなど利用したことがないので、この時点で悪質メールだということが想像できる。
以下、「脅しの文面」を紹介していこう。
〈あなたの所得税について、これまで自主的に納付されるよう催促してきましたが、まだ納付されておりません〉
もちろん、これまで納付の催促もなければ、催促されるいわれもない。恐怖心と不安感を煽る、詐欺メール業者の典型的な常套句である。
〈もし最終期限までに納付がないときは、税法のきめるところにより、不動産、自動車などの登記登録財産や給料、売掛金などの債権などの差押処分に着手致します〉
具体的な脅し文句の後には、「滞納金」なる金額が書かれていた。それによると、納税確認番号****8160、滞納金合計40000円、納付期限は2022年10月18日、最終期限も2022年10月18日(支払期日の延長不可)とある。メールはこの日の早朝に着信しているので、待ったなしだ(笑)。納付期限と最終期限の違いが分からないが、「税」という文字が中国語の表記っぽくなっている。中国人が書いたメールか、これは。そういえば、意味のわからない文字(日本語にない漢字)もひとつあったような…。
そして支払いを促すべく、URLの表示もある。なんと。アドレスは本物の国税庁のものと同一だ。ところが試しにクリックすると偽サイトに飛び、再び脅し文句とともに個人情報を入力させる画面が現れたのである。
メールの最下段には〈発行元:国税庁〉として、本物の国税庁の住所が記載されている。
ちなみに本物の国税庁のサイトには〈不審なショートメッセージやメールにご注意ください〉との注意喚起があった。〈国税庁(国税局、税務署を含む)では、ショートメッセージによる案内を送信しておりません。また、国税の納付を求める旨や、差押えの執行を予告する旨のショートメッセージやメールも送信しておりません。支払い等に応じることがないようご注意ください〉という内容である。まさにこの詐欺メールそのものといえよう。