10月29日に発表された政府集計により、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの接種率が、接種開始から1カ月で全人口の4%にとどまっていることが分かった。
その原因について医療関係者は、
「第7波が小康状態に落ち着き、危機感が薄れていることが最も大きい」
と推測するが、コロナが終焉に近づいているなど、とんでもない話だという。医療関係者が続ける。
「10月18日、24日には、それぞれ静岡県と新潟県で『ケンタウロス株』とも呼ばれるオミクロン株の派生型『BA2.2.75』の感染者確認が発表されていますからね。また、北海道では11月2日に新たに7895人の感染が確認され、第7波以来の急増となっています。新たな変異株が流入しているのではないかという懸念もあります」
第7波では7月から9月までの3カ月間だけで感染者は約1200万人に達し、医療現場はひっ迫。死者は連日200人に達したが、これを超える「第8波」が襲う可能性もあるという。サイエンスライターによれば、
「10月26日の専門家会合で京都大学の西浦博教授が示した『第8波』の見通しによれば、来年2月までに800万人程度が感染するものの、ワクチン接種が順調に進めば約30%減らすことができるシミュレーション結果が出ているという。しかしここには、『接種率4%』という低さは加味されていない。さらに今後はインフルエンザの流行が重なることから、医療現場のひっ迫がさらに進み、1日300~400人の死者が出ても不思議ではありません」
ワクチン接種率を上げられるかどうかがカギを握りそうだ。
(蓮見茂)